製品開発への道のりは、まず問題が起こるところから始まります。 

この問題は、あなたの理想とするユーザーが直面している問題、つまり彼らがお金を払ってでも解決したい問題です。

SaaSの分野では、このような製品ソリューションには、まだ十分にテストされていない革新的な技術が組み込まれていることが多いのです。

この10年間で、SaaSのスタートアップ企業立ち上げの参入に立ちはだかるハードルは大幅に下がりました。初期段階の創業者は、これまで以上に多くのリソースを自由に使えるようになり、それは特に、さまざまな分野の知識やスキル習得、従来とは異なる資金調達ルート、リモートワークツールによる非同期型グローバル人材、Crowdworksなどのフリーランス向けプラットフォームへのアクセスが挙げられます。

当然ながら、この競争の激しい市場は、急速に進化する環境の中にいます。その中で生き残るには、製品開発はテク業界の目まぐるしい変化に対応していかなければなりません。

変化の激しい市場で生き残る

競合他社より優位であり続けることの必要性はさておき、SaaS分野の急速な変化の多くは、SaaSソリューションが相互に依存するようにデザインされているという事実によって促されています。

多くの製品コンポーネントは、Shopifyなどのようにオープンソースアプリケーションやその他の外部技術の上に構築されているか、Stripeなどのようにユーザーに最適に役立つように互換性のあるサービスとプラットフォームの垣根を超えて統合されている必要があります。このため、ソフトウェアコンポーネントは、基本的にすべて互いの製品アップデートに追随しなければいけません。

一方、このような市場力学は、デベロッパーへの多くの興味深い(そして有利な)機会を生み出します。

ただ、このようなスピードの要求には、企業が革新的な技術を世に送り出した後、それが長期的にどのような影響を及ぼすかを考えるインセンティブがほとんどないという大きな問題があります。

このような力学で、企業の利益よりも社会のニーズを優先させるような気が損なわれるのです。

将来への備え:SaaSビジネスの将来を考える

通常、「future-proofing」という概念は、ビジネスに影響を与える可能性のある市場イベントや技術開発を予測し、そのマイナス影響を最小限に抑えるためのプロトコルを作成するプロセスを指します。

逆も又然りで、製品の発売に伴い、世の中に与えるであろう予期せぬ影響があるとも言えます。

巻き添え被害の可能性について考えるのにリソースを割り当てないといけないのはなぜでしょうか?

まず第一に、「正しいことをしているか」という議論があります。人助けのために製品を開発するのであれば、その製品がどのような悪影響を及ぼす可能性があるかについても考えるべきです。一旦技術が公開されてしまえば、それが適切だろうが間違っていようが、使う人がいいようにその技術が使われてしまうということですからね。

第二に、場所によっては、製品の間違った使い方に対して、特に、あなたの会社が無責任な行動をとったことが証明される場合は法的責任を負う可能性があります。

第三に、最近のユーザーは、社会の利益に反すると感じた企業へのサブスクはさっさと解約しますし、SNSのプラットフォームでは、ボイコット運動への支援がこれまで以上に簡単に集められるようになりました。

最近、ある大手メディア複合企業で上記のようなことが起こりました。ユーザーデータの無責任で悪質な利用が告発され、この企業の株価は完全に暴落したのです。

将来安泰なSaaS企業にするには

製品開発の将来性を考える上で重要なのは、「意図」「研究」「緊急時対応計画」の3点です。

ここでは、責任あるイノベーションを起こすための3つのヒントをご紹介します。

ヒント1:開発のどの段階でも、自分の善意に忠実であること

良心的な創業者であれば、ビジネスは善意から始まり、顧客のためになることをするのは当然のことだと思います。

あらゆる開発段階においてその意図を持ち続けるのは、なかなか難しいことでもあります。

初期段階の起業では、常にエンドユーザーや顧客から逆算して考えることが大切です。あなたが作ろうとしているもの、作ろうと考えているものが、顧客の最善の利益と一致していることを確認してください。

競合他社の動向や収益の最大化から逆算するのではなく、常に顧客から逆算するべきなのです。

多くの企業が本来の目的から外れてしまう、よくある落とし穴が3つあります。

  1. 「売り切る」ための金銭的インセンティブ
  2. 受託者責任 - 投資家、株式パートナー、株主の財務的利益をもたらすために、利益を最大化する法的責任を負うこと
  3.  異なるタイプのユーザーに対する義務間の利害の対立

3のケースは面白いことに、皆さんが思っているよりずっと多いのです。

先程の例のように、実はユーザーデータを売っているのは、無料のSNSや通信プラットフォームだけではありません。多くの有料サービスも同様に、得意客を裏切って、個人情報を広告主やビジネスパートナー、商用ユーザーデータベースへ販売・共有しているのです。

あなたのビジネスが、ユーザーやその他の利害関係者など、利害が一致しない、あるいは実際に対立している異なるグループの人々を対象としている場合、非常に微妙なラインを歩む覚悟が必要です。

そこでインフォームド・コンセントが必要になってきます。インフォームド・コンセントとは、データがどのように使用されるかについて、常にユーザーに対して透明性を保ち、ユーザーが簡単に設定を変更できるオプションを提供し、規約の変更についてユーザーに通知することを指します。

ヒント2:市場を調査し、製品がどのようなインパクトをもたらせるかを予測する

新しい素晴らしいツールを作ろうとすると、それが逆にマイナスになることを見落としがちです。

家電製品や自動車などの物理的な製品デザインには、その製品の安全性をテストするためのガイドラインが設定されており、これらは業界標準であったり、国や州が定めたりすることが多いです。

ところがこれがSaaS製品となると話が変わってきます。SaaS製品はその多くが新しい技術であるため、標準的なガイドラインが存在しないか、あるいは最新の技術に追いついていないのが現状なのです。

各企業は、自社製品のテストに責任を持つだけでなく、適切と思われるガイドラインを独自に作成しなければいけません。

しかし、製品を早くリリースしなければならないというプレッシャーから、研究はいいからすぐにリリースしようという考えがあり、このようなやり方は、悲惨な結果を招きかねません。

多くのエンジニアがいる環境では、製品を出荷することが重要です。MVP(Minimum Viable Product:最低限実現可能)なもの出荷です。

でもより複雑なアプリケーション、特に大規模なアプリケーションになると、MVPのレベルだけでは十分ではありません。なので人々に理解してもらい、信頼できる場所に到達することが必要なのです。単にMVPというわけではなく、これが正味のプラスに働くという最低限実現可能な確信が必要なのです。そして私たちは、この地でネガティブな結果をもたらす可能性のある周知の既知と周知の未知について深く考え、それに対処するための計画を立てる必要があります。

製品のイノベーションがどのような結果をもたらすか、どのようにブレーンストーミングを行うと良いのか。

まず第一に、チームとしてそれを考える練習をすることです。もうひとつは、その分野の専門家に話を聞くことです。多くのスタートアップ企業は、専門家よりもコンテキストが乏しい分野に取り組んでいますが、ありがたいことに今日の世界では、2、3回の電話とか、正しいネットワークとそのようなものがあれば、ほとんどの人とコンタクトが取れます。

なので、多くの試行錯誤を行ってきたその分野の専門家に話を聞き、彼らから学ぼうとすることは、より規制の厳しい分野に進出する、あるいは開発しようとしている新技術の展開に伴うマイナス面のリスクがある分野に進出するという点では、企業が取るべきもうひとつのステップとなります。

 ヒント3:悪用リスクを最小化に抑えるための緊急事態対応を構築する

新しい技術が発表されると、その時点で「うっかり秘密が漏れてしまう」のです。短期間のうちに、そのテクノロジーは誰でも利用できるようになるので、クリエイターが革新的な製品で最初に意図したことは重要ではなくなります。そしてそれは誰にでも使え、誤用され、構築できうるものです。

「どのくらい悪いのでしょうか」

よくぞ聞いてくれました。火薬は誰かが 爆破に使える事に気づく前に実は黄色の染料として発明されたことを知ってましたか?例えるならこれくらいです。

また、テク界では、スマート家電を持つという「モノのインターネット」のコンセプトが、実際に大量のスパムメールやハッキング、家庭内カメラからの映像の流出を招きました。

Google Earthのような無害なツールでさえ、悪用されることがあるのです。

そのため、リリース前にきちんと質問をすることが不可欠です。事実の後始末は効果がないだけでなく、コストがかかり、ブランドの評判を大きく損ないます。

ユーザーを守り、自身も守りましょう。

ビジネス指標の分析を始めてみる

MRRやLTVなどを自動で追跡し、ビジネスの成長につなげましょう!!