経常収益と”非”経常収益 〜ビジネス成功への適正モデルを考える〜 - Baremetrics Japan

Tomotaka Endo 2021 6 3

経常収益は、SaaSおよびサブスクリプションの企業の核となるものです。 これらの企業では、顧客は継続してサービスにお金を支払うため、将来の収益をより正確に予測することができます。 経常収益は、解約率(チャーン)やユーザーの成長率などの指標を使用して計算でき、会社の将来の収入を現実的に把握できます。 このタイプの予測できるという特殊性は、ビジネスにおいて非常に価値があります。

非経常収益は、再度発生するかは分からない1回限りの支払いで構成されます。 SaaS企業でも、非経常収益もあります。たとえば、SaaS企業があるイベントを開催し、50人にチケットを購入してもらうとします。 このイベントからの収益は、参加者が来年に同じイベントをやったとしても戻ってくるというわけではないので、経常的ではなく非経常収益として扱われます。

それぞれのタイプの例

経常収益
Software-as-a-Service
(Zoom)
ストリーミングサービス(Netflix)
ホスティングサービス
(Github)

非経常収益
短期住宅プロバイダー

(Airbnb)
スポーツ観戦チケット

(プロ野球)
食料品店

(セブン&アイホールディングス)

これらは各企業の主要な収益モデルであり、完全にこのタイプの例ではないことはご理解ください。 たとえば、Amazonでは、買い物客が定期的に商品を受け取ることができるサービスもあります。 その見返りとして、買い物客には割引が与えられます。これは、Amazonの経常収益モデルと非経常収益モデルを共存させ、両方の価値を享受しているビジネスモデルでもあります。

Adobeの経常収益への移行

2012年4月23日、AdobeはAdobe Creative Cloudを発表したときに、非経常収益ベースの製品モデルから経常収益ベースのサブスクリプションモデルに移行したのは有名な話です。 この変更により、翌年の収益は35%減少しました。 ただし、ハーバードビジネスレビューによると、2016年4月、アドビの株価は4年前の株価からほぼ3倍になりました。

Adobeは短期的な損失を経験しましたが、より予測可能性の高いモデルに移行することの長期的な価値を理解していました。 Creative Cloudが提供される前は、Adobeは将来の収入について限られた洞察しか持つことはできませんでした。 収入源としては、ソフトウェアの以前のバージョンを使用している顧客が新しいバージョンを購入することしか想定できませんでした。 そのため、Adobeにもっとお金を払うように顧客に圧力をかけるものは何もありませんでしたが、 現在、Adobeは月額料金を支払う顧客と引き換えに、追加費用なしで新しいバージョンのソフトウェアを提供しています。

このように収益の可視化を実現したい方は、Bareemtricsのご使用をオススメします。非常に簡単に経常収益で使われる多くの指標を確認できます。

非経常収益は、予測が全くできないということではない

非経常収益の方が、主駅の予測が難しいのは否定できませんが、過去の指標を確認することで、将来の収益を予測はできます。 予測の精度に影響を与える要因はたくさんありますが、最も強力な要因の1つはオリジナル性です。 オリジナル性があり、あなたの製品がより競合と差があるものであるほど、以前の顧客があなたから購入し続け、新しい顧客が現れる可能性が高くなります。

Airbnbを例にとってみましょう。 Airbnbはオンラインの他のサイトでは見つけることができない強力なコミュニティとプラットフォームを築きあげました。 そのため、Airbnbは、ホテルという宿泊ビジネスとは一線を引き、収益の予想が立てやすいものになっています。

各収益タイプのメリット

NextviewVenturesの共同創設者であるRobGoは、大規模であるが頻度の低い取引を行う非経常収益ビジネスの事例について論じています。 彼はまた、各収益タイプの利点についても言及しています。その一部を以下に示します。

経常収益タイプのメリット

予測可能性 - 現在あなたに支払いをしている顧客は、将来あなたに支払いを続ける可能性があります。
多くの指標の管理  -  収益以外にも複数の方法でビジネスの価値を計算できる指標を持つことができます(MRRやチャーン率、顧客維持率など)。
高いLTV - 時間の経過と一緒にサービスという価値を提供しているので、顧客もその分だけお金をかけてくれます。

経常収益タイプのメリット

速い成長率 - 1回限りの料金を請求するため、一気に多くの額を請求することができます。これにより、成長に投資するためのより迅速な資金が得られます。
高い利益率 - 一度に大きな収入があるため、コストと収入を比べる利益率が高い傾向があります。
その他の付加サービスの提供 - 非経常的なビジネスであるからといって、1つのサービスに限定されるわけではありません。 関連する製品やサービスを提供することもできます。

どちらの収益タイプでビジネスを行うべきか

Adobe、Microsoftなどは人気のあるソフトウェアのプロデューサーは、経常収益に基づいて構築されたSaaSに移行していますが、これは経常収益がいつも正しい道であるという意味ではありません。 ソフトウェアはそれぞれ独自のものであり、作成者ごとに異なる目標があります。 あなたの会社の目標について考え、収益モデルを決めるべきです。

Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.