企業成長率 - Baremetrics Japan

Tomotaka Endo 2022 9 20

ベンチャーキャピタリストでY-combinatorの共同設立者であるポール・グラハム氏によると、創業者が知っておくべきメトリクスがあるとすれば、それは企業が一定期間内に収益を上げ、拡大する可能性を示すメトリクスである「企業成長率」だそうです。

企業成長率を知っておくべき理由

企業成長率は、スタートアップ企業の将来性を評価する主要なメトリクスの一つであり、企業の収益増加率を測るものであるからです。つまり、企業の収益性や持続可能性を示す指標であり、このパーセンテージは、企業の成長の速さや、長期的にどの程度の成長が見込まれるのかを示す指標となるのです。

成長率は、企業の業種や成長段階に応じて、週次、月次、年次で出すことができ、企業や投資家がスタートアップ企業の将来性を理解するために、正しいデータがあればどの成長段階でも計算することができます。

企業成長率の算出方法

成長率の算出方法は、その企業が携わっているどの産業や現在の企業の能力、現在の資金調達の段階、企業の年数などによって様々な方法があります。

様々なオプションがありますが、以下のシンプルな計算式で月次ベースでの収益成長率を算出できます:

**{【(2ヶ月目の売上)ー(1ヶ月目の売上)】/(1ヶ月目の売上)}* 100%**

その他考慮すべき点

企業成長率を計算する際には、さまざまなアプローチやいくつかの考慮事項があります。例えば、専門家は、会社の経費から計算を始め、 営業利益率や「顧客一人当たりの従業員数」など「主要な比率」をチェックすることを勧めています。

また、広告費や法務関係のようなカテゴリーには隠れた費用が発生したり、プロバイダーごとに異なることが多いことから、広告費は2倍、法務や保険は3倍に見積もるのが鉄則です。さらに、顧客サービスの時間をモニタリングすることで、ビジネスの成長に伴う将来の人件費の見積りを行うことができます。また、投資家への提供のために、「保守的な成長率」と「積極的な成長率」を計算しておくことをお勧めします。

その他、成長率を決定する際に考慮すべき事項には、顧客維持率マーケティング手法とその効果、製品の季節性、企業の拡大段階などがあり、これらのいずれか、または複数の組み合わせが成長率に影響を与える可能性があります。

また、以下のような留意点もあります:

  • ゼロから作り上げたビジネスは、売上がいくらでも大きく伸びるため、より大きい成長率になる傾向がある。

  • 成長率は業種によって異なる。

  • セットアップ時間、導入スピード、販売サイクル、市場機会などの要素も、成長のステージに応じて変化する。

成長率メトリクスの活用法

企業は、成長率を次のような目的で利用することができます:

  • このメトリクスを使ってスタートアップ企業の現在と将来の成長を評価する、投資家や貸し手からの資金の確保。

  • 会社の将来にとって最も有益な経営計画や人員配置計画の策定:成長率は週単位、月単位、あるいはそれ以上の期間で計算できるため、価格設定やスタッフの配置など、日々の些細な変化がいかに成果に多大な影響を与えるかがわかりやすくなります。

  • リソース配分の的確な判断:事業の成長が早すぎて初期の資源を無計画に使い切ってしまったり、成長が遅すぎて資源が無駄になりコストがかかったりすると、企業はそれに影響を受け、閉鎖に追い込まれることがあります。

また、投資家は、成長率のメトリクスで、成長の予測や、潜在的な投資収益率を把握するため、スタートアップ企業にとっては、短期・長期両方での成長率を投資家に示すのは必須です。

なぜか?それは、新規事業は、最初の1年間は財務に大きな影響を与えるほどの収益を上げられないかもしれないからです。ただし、その間にビジネスが成長し、2年かそれ以上の間でROI(投資収益率)を示し始めると予想されることもあります。

良い成長率とは?

成長率は業界によって異なります。例えば、現在、スタートアップ企業や事業拡大で「最も熱い」と言われている業界では、平均成長率の例として以下のようなものがあります。

しかし、一般的なベンチマークとして、企業は平均して15%から45%の前年比成長率の確保が必要ですが、SaaSの調査によると、年間200万ドル未満の企業は成長率が高い傾向にあります。

成長率の管理

成長率は、企業が一定期間内に収益を上げ、拡大する可能性を測るものであることから、ビジネスにおいて重要な焦点となるはずです。将来的な資源活用の計画にも役立ちますし、将来性のあるスタートアップ企業を探している投資家を引き寄せる可能性もありますから、成長率は必要不可欠ですね。

成長率は業界によって異なりますが、収益を大きく伸ばすことができる成長戦略はいくつかあります。また、収益予測収益ダッシュボードなどのツールで、この重要なメトリクスに目を配ることができるのです。

ぜひ、Baremetrics無料トライアルを使用して、成長率を測定してみてください。

Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.