『MRR』 Part 2 〜5種類のMRRを区別して分析〜 - Baremetrics Japan

Tomotaka Endo 2021 5 12

こちらの記事は、Part1の続きになります。Part 1ではMRRの計算方法などを解説しております。このPart 2では、5種類のMRRを理解することで、ただMRRという漠然としたメトリクスを知るよりも、より深くあなたのSaaSまたはサブスクビジネスで起こっていることを理解できるようになります。

MRRの分析方法

MRRはとてもシンプルに見えるメトリックですが、 実際は色々な理由が作用して、あなたのサブスクリプションビジネスが成長している(またはしていない)こと示してくれます。そのため、どのような点が潜在的な問題に繋がっており、そして、何がどのようにMRRを成長させくれるのかをしっかり分析する必要があります。

そのようなインサイトを得るためにはBaremetricsが非常に優れています。MRRというシンプルなメトリックを向上させるためには、より多くのビジネスメトリクスを観察することが重要です。こちらに、Baremetricsのデモアカウントを載せますので、是非参考にしてみてください。

5種類のMRRタイプ

MRRには5つのタイプがあります。

  • New MRR - 新規顧客から得られるMRR
  • Expansion MRR- 既存顧客から得られるMRR (アップグレード)
  • Reactivation MRR - 以前の顧客からのMRR
  • Contraction MRR - 既存顧客からの損失MRR (ダウングレード)
  • Churned MRR - キャンセルをした顧客からの損失MRR

5種類のMRRを解説

MRRには5つのタイプがあります。

これらのタイプを知っておくことは直感的な「理由」を知るためには大切です。月ごとに何が理由でMRRが上がったのか下がったのか厳密に学ぶことができるからです。
図表を使ってこの理由を理解することはとても役に立ちます。
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このMRRのグラフで、すでに多くの情報がありますが、Baremetricsのアプリ内でさらに下にスクロールするとMRRをより詳細に表示でき、はるかに理解しやすくなります。

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もっと深掘りしたい場合、Baremetricsは月ごとのビジネス成長を示すグラフも提供しています。こちらは、正確な数字で各月のMRRの純利益と純損失を示します。

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では個々の棒グラフデータ、カラー、ワード、そして数字が何を示すのかを見ていきましょう(2020年10月のグラフの詳細をチェックしていきます)。

  • New MRR (新規顧客)は$4,140、これは先月より80%増加になります。
  • Expansion MRR (アップグレード)は$2,619、これは先月より20%減少しました。
  • Reactivations MRR (戻ってきた以前の顧客)は$473、これは先月より6.5%増加しています。
  • Contraction MRR (ダウングレード)は$158、これは先月より40%成長しています。
  • Churned MRR (キャンセル)は$4,622、これは先月より20%の急激な減少になります。
  • 全てのこれらのMRRタイプを足し、純増の$2,452という結果が出ました。


以上のことから、MRR見ただけでは分からない、次のようなことが解析できます。

  • Churn MRRとContraction MRRがExpansion MRRを上回りました。これは、より多くの既存顧客がアップグレードではなく、キャンセル、またはダウングレードしたことを示します。また、過去数ヶ月を見ても、同じようなマイナスのトレンドを示しています。
  • MRRをタイプ毎に分割しなかった場合、あなたは「やった、$2,620のMRRの成長があった!」と喜ぶでしょう。ただ、実際には$4,500以上の解約があったことを見逃してしまいます。本来ならビジネスとして見逃してはならないこの事実に気がつきません。
  • New MRRは目を見張る成長を見せました。なんと、その年1番の成長が見られたのです。 Expansion MRRが普段より低かったため、 新規顧客からの収益がchurnとcontractionの損失をカバーしてくれました。


MRRをタイプごとに分析していない場合、重要なデータポイントを見過ごしていることになります。ビジネスを成長させるには所々で様々の調節が必要になのです。しっかりその調節が出来ているかを確認することで、より効率的なビジネスに繋がるのです。

いかがだったでしょうか?さらに深くMRRを勉強してみたいという方は、このMRRシリーズの他の記事もご参考ください。

Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.