NPS (Net Promoter Score) とは? SaaSビジネスの基礎知識

Tomotaka Endo 2023 3 29

NPS とは

NPS - Net Promoter Score (ネットプロモータースコア) は、顧客ロイヤルティを測定・予測するための強力なメトリクスであり、経営コンサルタントのフレッド・ライヒヘルド氏によって2003年に生み出されました。彼は、将来の顧客ロイヤルティを測るための最も予測的なメトリクスを見つけたいと考え、様々な質問をした後、今日私たちが利用しているNPS調査にたどり着きました。この調査は、実用的なフィードバックを提供し、驚くほど簡単に始めることができ、将来の成長を予測する最も素晴らしいメトリクスの1つであることから、NPSはしばしば「成長に必要なたった一つの数字」と呼ばれています。

NPS 計算方法

NPSは「友人や家族に ”このサービス” を薦める可能性はどの程度ありますか?」という簡単な質問を顧客にすることで知ることができます。

顧客はその質問に対し、以下の例のように、1が最低(全く可能性がない)、10が最高(非常に可能性がある)として1から10までの範囲で回答します。その際、大抵のアンケートでは、「その点数を付けた最大の理由は何ですか?」等のフォローアップの質問も含まれます。

回答者は、その回答内容によって3つのグループに分けられます: 

  1. 推奨者(回答数9~10):最も忠実な顧客であり、この先も購入し続ける可能性があり、(当然ながら)新規顧客を紹介する可能性が最も高い。
  2. 中立者(回答数7~8):熱狂的に満足しているわけではなく、不満があるわけでもないが、競争力のあるオファーがあった場合、解約する可能性がある。
  3. 批判者(回答数1~6):解約のリスクが最も高く、ネガティブなレビューを口コミで広め、ブランドにダメージを与える可能性もある。

最終的なNPSを計算するには、【推奨者】と認識された顧客の割合を取り、【批判者】と認識された顧客の割合を引きます。スコアは、-100(回答者の100%が批判者の場合)から+100(回答者の100%が推奨者の場合)までの範囲となります。

NPS =【推奨者(%)】-【批判者(%)】

NPS 測定する理由

大抵の企業は、顧客が購読を続けるのか、それともすでに離れていっているのか、顧客の将来の行動を予測できるようになりたいと考えています。

NPSは、紹介の可能性に基づいているため、顧客の将来の行動を判断する最も正確な方法の1つです。ある会社を友人に推めるということは、自身の評判にも影響するということであり、例えばあなたがあるブランドに強い忠誠心を抱いているとして、友人にそのブランドを推薦することで、自分の評判を落とすリスクもあるのです。ただ、その逆になる可能性はほとんどありません。

どの顧客が忠誠的で、どの顧客が離れていこうとしているのかを知ることで、その顧客に最も適切な対応をすることができます。さらに、忠誠的な顧客が単に購買を続けるだけでなく、友人に紹介することで、新たな収益源となります。NPSを測定し、その改善に努めることは、収益を上げ、チャーンを減らすための確実な方法なのです。

良い NPS 

NPSは、業界、顧客のタイプ、国や地域によって大きく異なります。常に自社のNPSを向上させることは最も重要ですが、他の高業績企業と比較するのもよいでしょう。NetPromoter.comによると、ソフトウェア会社のNPSの平均は28と高い数値を示しています。以下は、SaaS企業の例です:

MailChimp(自己申告によるベンチマーク) - 50

Baremetrics(2014年調査)- 36

Dropbox(2015年調査)- 32

Groove(2014年調査)-16

Wix (Alignable.com) - 4

NPS プログラムを始める

NPSは、関係性のメトリクスです。つまり、特定の取引を反映したものではなく、あなたと顧客との関係全体を表すものです。カスタマーサポートでのやりとりの後にNPSを使用するのではなく、無関係なタイミングで顧客を調査することをお勧めします。そうしないと、サポートエージェントとの直近のインタラクションによって、NPSの回答が過度に偏る可能性があります。

顧客ベース全体を特定の間隔で調査するか、オンボーディングや更新後など、ライフサイクルの特定のポイントで顧客に質問するかを選択できます。例えば、Agency Analyticsでは、サインアップから45日後に1回のメール調査を送信し、その後6ヶ月ごとに繰り返し調査をしています。

ちなみに筆者たちは、Promoter.ioを使って顧客にメールアンケートを送信していますが、アプリ内アンケートを作成するWootricなど、その他にも多くのNPSアンケートプロバイダーがあります。

最後に

NPSを含め、SaaSではデータがビジネスの鍵を握ります。SaaSの指標を確認したいのであれば、Baremetricsがおすすめです。是非、一度無料トライアルにサインアップして、自分のビジネスの状況を確認してみてください。

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Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.