収益モデル - SaaSビジネス編

Tomotaka Endo 2023 6 27

収益モデル 、特にSaaSの収益モデルを確認する前に、定義をいくつか整理しておきましょう。

【収益源】、【収益モデル】、【ビジネスモデル】という、似ているようで全く異なる3つの概念の区別が必要です。 ビジネス用語がごちゃまぜになっているかもしれませんので、まずはそこを整理しましょう。

  • 収益源:これは、企業にとって一つの収益源となるものです。「収益前」の駆け出しスタートアップ企業以外は、少なくとも1つの収益源を持っており、ほとんどの企業は複数の収益源を持っています。例えば、SaaS企業には、サブスクリプションの収益源があるでしょう。
  • 収益モデル:収益源がどのようにデザインされ、実行されるかを示します。そして、例えば、サブスクリプションの収益モデルには、「基本料金の収益源」と「アドオンの収益源」があるかもしれないといったように、1つの収益モデルが複数の収益源を持つことができます。
  • ビジネスモデル:これは自身の会社のトップレベルの構造です。収益モデルや収益源も含まれますが、マーケティングから開発、採用、運営に至るまで、あらゆるものが含まれます。

これから説明する10の収益モデルは、相互に排他的なものではなく、複数を同時に使ってもいいし、全部使うこともできます。

Baremetrics は、MRR(月次経常収益)、ARR(年次経常収益)、LTV(顧客生涯価値)、総顧客数など、ビジネスに関する 26 のサブスク指標を提供するサブスクビジネス分析ツールです。Baremetrics は、決済ゲートウェイと直接統合すると、顧客に関する情報が自動的に Baremetrics のダッシュボードに流れ込みます。どのような収益モデルが最適なのかを正確に把握するのに必要な情報は、これだけです。

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収益モデル とは

収益モデルとは、どのように製品またはサービスを収益化し、どのような価格で販売するかを確定する、儲けを生み出すため使うフレームワークです。また、ターゲットとなる市場や、その見込み客に対して行うマーケティングの特定も、このモデルでできます。一言で言えば、「収益を上げるための計画」です。

SaaSの収益モデル 10種類

収益化する方法は実にさまざまで、10個のモデルに絞り込むのは難解ではありますが、今回は特筆べき10種類をご紹介させていただきます。 

1. 広告ベース 収益モデル

これは、多くのトラフィックを集めるウェブサイトやアプリを考え出し、そのウェブサイトやアプリ内の広告スペースを販売するという、非常にシンプルなものです。自社の製品やサービスを利用することでお金を取るのではなく、クライアントのビューを他社に売るのです。

その方法は大きく分けて2つあります:

  • 特定の広告主にページスペースを直接販売する
  • Google AdSenseなどの第三者の広告システムを使用して、スペースに適切な広告を見つける

通常、1,000ページビューあたり数百円の収入が期待できますが、重要な客層からのビューであり、かつ彼らに消費意欲がある場合は、その10倍くらいまで得ることができます。

このシステムの最大の利点は、導入が簡単なことです。早期の収益化のために、市場調査に時間やお金をかける必要はありません。

ただ、多額の収益を得るのに膨大な数のビューが必要である一方で、多くの広告掲載は、実際はオーディエンスを遠ざけ、ページビューを減少させる可能性があるという、明らかなデメリットがあります。

2. アフィリエイト 収益モデル

広告ベースの収益モデルに似ていますが、こちらは自身の人気に依存します。自身のコンテンツを閲覧した人から直接お金を得るのではなく、アフィリエイト・リンクを利用して他の場所で販売を促進します。

これは広告よりも稼げる可能性がありますが(広告以外でも稼げます)、アフィリエイトのイメージに信憑性がないとオーディエンスに敬遠される危険性があります。

3. 代理店セールス 収益モデル

自身のサービスを自分で売ろうとするのではなく、もし利益率的に可能なら、すでに多くのオーディエンスを抱えている再販業者にこれを委託してみましょう。このような代理店は、利益の分け前と引き換えに、あなたのサービスを自分のオーディエンスに売り込みます。

これは、製品やサービスの顧客が非常に特定されている場合によく使われる方法です。例えば、特定のブランドのカヤックのためのカヤックのサービスなど、特定のブランドのカヤックサービスを販売する場合、そのブランド自体と連携して、購入時に顧客とコミュニケーションを取ることは理にかなっています。そしてこの例では、カヤックのブランドは、その一連の顧客のための「チャネル」であると考えることになります。

4. 直販 収益モデル

顧客に直接製品を販売することで、すべての収益を確保することができますが、その達成のために高額な営業担当を雇わなければいけない場合、間接販売を利用するよりも利益が低くなってしまう可能性があります。

この方法は、販売を自動化する方法がある場合や、平均価格帯が非常に高い場合に有効です。稼げる可能性が1万円しかないのに出張販売員を派遣するよりも、100万円稼げる可能性があるのに出張する方がよっぽど意味があるのです。

5. フリーミアムモデル

B2C(企業 - 消費者間取引)市場では、苦労して稼いだお金で見込み客を引き離すのは難しいかもしれません。例えば、ソフトウェアパッケージの縮小版や広告でサポートされているものなど、無料で製品を試す機会を提供することで、彼らに価値を証明し、あなたのプラットフォームでいくらかの現金を使うように仕向けるようにするといいでしょう。

6. モノは無料、サービスは有料

場合によっては、ユーザーに製品へのフルアクセスを低価格(または無料)で提供し、製品を利用するのに必要なすべてのサービスに対して課金することが理にかなっていることがあり、これは高度な技術を兼ね備えた製品に当てはまります。例えば、特定のネットワークモニタリング機能を非常にうまく実現するツールがあるとします。しかし、実際にそのツールを使って効果を上げるのは難しいことから、そのツールを無料で提供し、そのツールを効果的に使うのに必要な労力は有料にすることがあります。

これはネイルアートのお店のようなところでも起こりうることです。多くのネイルアートショップは、マニキュア代はかかりませんが、予約や施術サービスにはかなりの費用がかかりますよね。

このモデルでは、ソフトウェアの初期費用はかかりませんが、メンテナンスやサービスの契約はあります。企業はパッケージに多額の初期費用をかけることを望まない一方で、ソフトウェア・ソリューションに愛着と信頼を寄せるようになるにつれ、将来にわたって何年も費用を支払ってくれることになる点が、このモデルのポイントです。

7. 小売販売

物理的な製品を販売する場合、小売の収益モデルは、「バイラルマーケティングのツール」と、「別の収益源の提供」という2つの機能がある時もあります。面白いパッケージや、流行の発信源になるような売り方をすれば、人々が写真をソーシャルにアップしてくれるでしょう。

このような収益源を活用するためだけに、製品やサービスを不必要に物理的な製品にしている企業もあります。

8. サブスクリプション 収益モデル

これは、SaaS企業の典型的なモデルであり、ソフトウェア・パッケージを構築し、常にアップデートし、顧客に週、月、または年単位で使用料を請求します。サブスクリプションの収益源を持続可能なものにするには長い時間がかかるため、多くの企業にとって「最終到着地点」とも言えるでしょう。広告枠の販売から始まり、フリーミアムモデルを経て、ここに到達するというのは、SaaS業界ではごく一般的なルートです。

9. トランザクション型 収益モデル

このモデルは、使用量に応じて顧客に課金するものです。特に小規模のクライアントや、ソフトウェアの付加価値をまだよく理解していないクライアントは、その透明性のためにこのオプションを好むかもしれません。

10. ウェブ販売

このモデルは、トランザクション販売やサブスクリプション販売と互換性がありますが、特定のWebサイトを通じて行われます。見る人が納得するような自身のウェブサイトに訪問者を誘導し、コンバージョンさせるのです。

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収益モデル関連のコスト 

収益モデルが違えば、それに伴うコスト構造も異なります。収益性を上げるには、単に収益を上げるだけでなく、費用のバランスをとることも必要です。例えば、製品の無料提供によって、サービス契約や無料サービスからプレミアムサービスへの転換による長期的な収益増加が期待できるかもしれませんが、そのような追加的な初期費用を負担するには、手元に資金があることが必要です。

変動費とは、サービスにかかる項目ごとのコストのことです。これには取引コストやホスティングコストが含まれることがありますが、家賃、人件費、設備費、開発費などの固定費は、個々の製品に直接結びつかない費用です。

マーケティングや広告の費用は、賢いビジネスプランに必要な部分ですが、それが売上に貢献しているかどうか、また、売上が伸び悩んでいないかどうか、常に注意を払う必要があります。自身のマーケティングがうまくターゲットに当たっていないと、適切な訪問者が自身のウェブサイトに誘導されることはないでしょう。

Baremetricsでサブスクリプションの収益をモニタリングしよう

小さな価格変更が収益に劇的な影響を与えることもあります。どのような収益モデルを選択するにしても、Baremetrics を使ってぜひ販売データをモニタリングしてください。

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Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.