キャッシュフロー

Tomotaka Endo 2023 10 17

キャッシュフローとは、事業から出入りする現金の量を指します。当たり前のことのように思われるかもしれませんが、最終的にはプラスのキャッシュフロー、つまりキャッシュ・プラスが望ましいです。

中小企業やスタートアップの倒産理由の82%がキャッシュフローのマイナスであることは、驚くことではありません。

ビジネスに流れ込むキャッシュの例としては、顧客からの入金、プランのアップグレード、資産の売却などが挙げられます。

*注:SaaS企業では、サブスクリプション契約を獲得したときに、現金のすべてを前もって受け取ることができない場合があるため、キャッシュフローは「売掛金(借りたもの)」に入ります。なお、契約に対する支払い総額は、TCV(契約総額)と呼ばれます。

出て行く現金の例としては、オフィスの家賃、光熱費、ローンの支払い、税金などの支払いや出費があります。

キャッシュフローのモニタリング

キャッシュフローのモニタリングに一番いい方法は、当座預金の取引を記録しておくことであり、QuickBooksWaveのような会計ソフトを使うのが一番簡単です(ちなみに、Waveは無料ですが、QuickBooksよりはるかに機能が少ないです)。こういったアプリケーションに当座預金を接続すると、アプリがキャッシュフローの追跡や、キャッシュフローレポートの準備をしてくれます。

*注:これらのアプリが取引を追跡するからといって、すべてのラベルが正しく貼られているかや適切に入力されているかなどを再確認する必要がないというわけではありません。

キャッシュフローレポートがSaaSビジネスにもたらすもの

キャッシュフローレポートには、「Q1(第1四半期)」のキャッシュフローや「2023年6月」のキャッシュフローなど、選択した期間に受け取ったお金と払い出したお金が示されています。流動性を注視することで、過剰な出費だけでなく、好機も見つけることができます。

最初のうちは、借金なしでなんとかやっていきましょう。

起業したての頃は、収益が上がらずにソフトウェア開発費や初任給などの経費がかかるため、キャッシュフローはマイナスになることが多いでしょう。

キャッシュフローレポートを利用して無駄を省きましょう。大体どこにでもwifiがある場合は携帯電話の無制限データ通信や、毎月のコーヒーカップの配達など、不要な出費を抑えられます。スタートアップ企業には、経費を節約する方法がたくさんありますね。

より良い未来のための可視化

お金の出入りをグラフ化したレポートがあれば、先が見通せやすくなります。例えば、「げっ!プリンター用紙に毎月2万円もかかってるし!これ一部をデジタル化したらどうかしら?」とか、「新しいプロバイダーで無線LANと携帯電話サービスを一括購入すれば、毎月5万円の節約になる」など。あるいは、「おー、今月は売り上げが良かったからこのままいこう」とか。

最悪の事態を考える

また、「チャーンが増えたら来期のキャッシュはどうなるのか?」や「大口の顧客が料金の支払いを6ヶ月間怠ったらどうするか?」などの「最悪の事態」を想定して計画を立てるのもいいでしょう。

チャーンの増加を想定し、それを食い止めるための計画を立てましょう。また、最大の顧客を絞り込んでその顧客を維持するための、優れたカスタマーサポートを設けましょう

今後の費用とMRR

SaaSの場合、MRR(月次経常収益)に重点を置いているため、先月のお金が今日数えられることがよくあります。それで問題ありませんが、今月分の請求書は今月中に支払わなければならないことを忘れないようにしましょう。将来の出費についての正確な内容を確実に把握しておきましょう。顧客からの支払いは拒否や払い戻しもありますし、顧客がサブスクリプションを解約することもあります。

将来の出費を見て、あなたのポケットから何が出ていくのかを見てみましょう。来月、税金を支払う必要がある四半期の期間に、誰かを雇う必要がありますか?

教訓

まとまったお金が入ってきても、たまには手綱を締める必要があるかもしれません。キャッシュフローを活用して、将来の希望や不安なシナリオを可視化してみましょう。

Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.