SaaSのキャッシュフロー:使用すべき6つのツール - Baremetrics Japan

Tomotaka Endo 2022 5 12

本記事では、SaaSビジネスのキャッシュフローモデリングと、それを支援するソフトウェアについて深く掘り下げていきます。

キャッシュフローモデリングは必要ですが複雑な作業です。資産、負債、収益、費用、投資などをすべて把握し、それらを未来に向けて予測します。そうすることで、月ごと、あるいは年ごとにキャッシュポジションがどのように変化するかの見通しを立てやすくなります。

こういった予測は、採用計画から月間経常収益(MRR)の伸び予想まで、多くの仮定に基づいて構築されており、優れたキャッシュフローモデリングは、過度に保守的なものから非常に楽観的なものに至る様々な予測を出すのに、シナリオプランニングを考慮します。

ありがたいことに、キャッシュフローモデリングの効率化に向けたパッケージが数多くありますので、本記事では、2022年のキャッシュフローモデリングで検討すべき6つのツールについてまとめます。

キャッシュフローモデリングとは?

キャッシュフローモデルは、現在または将来のキャッシュポジションに影響を与える可能性のある、ビジネスにおけるあらゆるものを動的に描き出したものです。

会社に現金が入ってくる方法はいくつかあります。例えば、サービスを売って収益につなげる、自己資本として会社に多くの資金を投入する、あるいは新たな負債として銀行ローンを利用する、などです。

また、出ていく方にも色々あります。例えば、ホスティング料金の支払いは出費になりますし、銀行からの借入の返済は負債を減らすことになります。

多ければ多いほど良い収益や、低ければ低いほど良い出費とは異なり、現金が入ってくることが必ずしもいいという訳ではなく、出ていくことが必ずしも悪いということではありません。しかし、時間の経過とともにどれだけのお金がビジネスに入ってくるか、あるいは出ていくかをよく把握していないというのは、問題です!そこで次の質問です。

なぜSaaSではキャッシュフローモデリングが重要なのか?

キャッシュフローはSaaSの財務モデルにおいて非常に重要な部分であり、特に自己資金で起業している場合はなおさらです。企業は倒産するよりも、債務超過に陥る可能性の方がはるかに高いのです。つまり、採算が取れないために倒産するよりも、採算が取れているにもかかわらず、日々の対応に必要な資金が底をついてしまう可能性の方がはるかに高いということです。キャッシュフローから常に目を離さないでいることが、そういった債務超過を防ぐ唯一の方法なのです。

さらに、現在と将来のキャッシュフローを把握することで、現実的な成長目標を決め、予算編成を改善し、営業担当者とともに目標を設定することができます。

キャッシュフローモデリングの重要性と複雑性の両方を考慮すると、こういった予測に関わる労力を減らすためのキャッシュフローモデリングソフトウェアが必要になってきます。AIアルゴリズムやその他の自動化を備えたソフトウェアを使用することで、貴重な時間を節約しながら、財務モデルの精度を上げることができます。

では、キャッシュフローモデリングソフトがどういうものでどのような機能を持っているのか、具体的に見ていきましょう。

キャッシュフローモデリングソフトは何をするのか?

キャッシュフローモデリングソフトウェアで、過去のデータを使って収益から入ってくる現金の予測を立てることができます。SaaSビジネスの場合、まずMRRの伸びと収益ベースのチャーンから始めることができ、そこから現在の出費と、それが時間の経過とともにどのように変化するかを把握しておかなければなりません。

収益と出費に関する合理的な仮定は、キャッシュフローが時間とともにどのように変化するかを理解する良いスタートとなりますが、キャッシュフローモデリングには、ビジネスに資本を投入したり、資本を取り崩したり、負債の開始や終了など、その他多くの要素が含まれます。

以前、キャッシュフロー、オペレーション、収益、予測を網羅した財務モデルの作成について説明しました。その記事にはビジネス運営に役立つ財務モデルの作成に必要なことがすべて載っていましたが、キャッシュフロー・モデリング・ソフトウェアを活用することで、そのプロセスがさらに簡単になります。

キャッシュフローモデリングソフトウェア6選 

どのキャッシュフローモデリングソフトか検討しようとすると、おそらく検索したら選択肢がいくつか上がってくるでしょう。ここでは、2021年に人気のあったキャッシュフローモデリングソフトウェアを、それぞれの長所と短所とともにご紹介します。

1. Baremetricsの Flightpath 

Baremetricsは、特にSaaSやeコマースビジネスを念頭に置いてデザインされた財務報告ツールを搭載しています。Baremetrics は、SaaS ビジネスに欠かせない指標を全て含むレポートダッシュボードを用意しています。

そして今、BaremetricsのFlightpathには、全く新しいレベルの財務モデリング機能を備えており、Flightpathで収益、費用、キャッシュフローを予測し、企業の将来をより良く見通すことができるようになりました。

Flightpathは、あなたが望めば、信じられないくらい操作が少ないです。例えば貸借対照表と損益計算書の情報を入力するだけで、自動的にキャッシュフロー計算書を作成してくれます。

そして、好きな仮定を追加して将来のキャッシュフローモデルを得ることができますし、Flightpathを自動運転させて、収益の伸びや費用の伸びなどのアルゴリズムによる仮定に基づいた今後の見通しを表示させることもできます。

Flightpathのダッシュボードはこんな感じです。

Flightpath dashboard

Flightpathは、ソフトウェアと専門家レベルの財務サポートを組み合わせて提供しており、月々1,000ドルからのプランには、導入時のサポートと四半期ごとの業績予測レビューが含まれています。

2. Float

Floatは、QuickBooks Online、Xero、FreeAgentなどのオンライン会計ソフトと連携して動作する人気のアドオンで、こういったソースから取引データを取り込んで使います。

Floatの残念な点は、定期的な支払いに対応する支払いプロセッサーと直接統合していないことです。そうなると、会計データに依存することになり、SaaSやeコマースのビジネスで一定期間に大量の取引が扱われる場合、最も正確な予測は取引データから直接行われます。

Floatは、ビジネスの規模に応じて、月額59ドルから199ドルかかります。こ下図で、そのキャッシュフローモデルをご確認ください。

Float

3. QuickBooks

QuickBooksを会計や請求書発行に使用している企業には、キャッシュフロー予測レポートが使えます。売掛金、銀行口座残高、クレジットカード台帳など、ビジネスモデルや収益予測に影響を与えるさまざまなデータポイントを定め、収益予測レポートを作成できます。レポートができたら、日付範囲を調整することで、任意の時間帯の過去データを使用して収益予測を調整することができます。

QuickBooksを使用する場合、レポート作成は手動です。会計プロセスが完全に自動化されていなければ、QuickBooksを使用しても最も正確な収益予測が常にできるわけではありません。

月額180ドルでQuickBooksの高度な機能を利用できるようになります。以下は、同社のキャッシュフローダッシュボードの例です。

Quickbooks dashboard

4. Pulse

Pulseは、収益予測のための最も強力なWebアプリのオプションの1つです。Pulseは完全に収益予測に特化しているため、売上予測、キャッシュフロー予測、予算編成向けのSaaS製品として人気があります。

Pulseが採用している予測法では、売上データの手入力か、Excelスプレッドシートのアップロードが必要になります。他の会計ソフトや支払いプロセッサーと直接統合していないため、時間がかかり、人為的エラーが出る可能性も残されています。しかしPulseには、一度データが入力されれば、様々な視点からレポートを噛み砕き、あなたのビジネスニーズに最適なものを決めてくれるという、とても感動的なオプションがあります。

Pulseは、小規模企業向けの月額59ドルと、フル完備の月額89ドルの2つの価格帯があり、無料トライアルもあります。キャッシュフローモデリングの概要ページはこちらです。

Pulse

5. Planful

Planfulには、キャッシュフローモデリングやマネジメントツールなどの数多くの製品が用意されています。主なセールスポイントは、Planfulが提供するカスタマイズのレベルです。データ入力や予測だけでなく、UX/UIや情報のビジュアル化もカスタマイズできます。

モデルマネージャーは、動的な予算が一目でわかるようになっています。同社のソフトウェアは、主にコーディングやスクリプトの必要性を排除することで、マネージャーがIT部門に助けを求めることなく、すべての作業を行えるようにすることを目指しています。

残念な点としては、カスタマーサービスの窓口はチャットボットしかないため、必要なときにサポートを受けにくいということがあります。

価格情報は記載されていないので、お知りになりたい方は、個人情報を伝えて一通りデモを受けてみないとわかりません。

こちらは、デモの予約なしで見られるアプリの限定ビューです。

Planful

6. Vistr

Vistrは、ユーザーが会社のお金の出入りを監視するためにデザインされたWebアプリケーションです。あらかじめ用意されたシンプルなオプションと、ユーザーが選択したものを含むようにモデルをカスタマイズできる機能があります。

税金予測や支払い予定日を知らせるフラグなど、かなり多くのツールが用意されているので、支払いの遅延が把握できますが、Vistrは特にSaaSビジネスを念頭に置いてデザインされていないため、定期的な収益に対処しにくい場合があります。

Vistrは現在、すべてのユーザーが無料で利用できますが、今後、より高度な機能が追加され、有料のサブスクリプションに束ねられる予定です。ここでは、そのダッシュボードを紹介します。

Vistr

Baremetricsでキャッシュフローモデリングを改善する 

ビジネスの運営に投資が必要な場合、チームメンバーの追加雇用が必要な場合、または購入の実施が必要な場合、流動的な資金が使えるかどうかを知っておかないといけません。キャッシュフローを明確に把握すれば、予算編成や売上目標などの重要な意思決定ができます。

現在入手可能なキャッシュフローモデリングソフトウェア6選をレビューした結果、BaremetricsのFlightpathが最も包括的で、SaaSビジネスの特殊な要件を扱うために最もよくデザインされたソフトウェアという結論になりました。

損益計算書、キャッシュフロー、貸借対照表、ビジネス指標をすべて同じツールでお探しなら、もうこれ以上探す必要はありません。FlightPath by Baremetricsの無料デモにサインアップして、今すぐファイナンシャル・モデリングを始めましょう。

Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.