カスタマージャーニーの管理とは、コンテキストを理解し、適切なメトリクスを測ることです。顧客体験、通称CX(カスタマー・エクスペリエンス)は、現代の企業経営にとって重要な要素ですが、膨大なデータの中だとあっという間に途方に暮れてしまいます。

顧客の目標とビジネスの目標は一致していなければいけないというのはとてもシンプルなことなのですが、残念ながら、CXの測定は依然として難題です。一過性のセールスをブランドの支持者に変えるようなCXをお届けしたいのであれば、カスタマージャーニーのすべての段階を監視・測定し、何が正しくて何が間違っているのかを見極めなければなりません。

そこで本記事では、あなたのブランドが十分に力を発揮できる体験を顧客に提供したい場合に、監視・測定の必要があるCXのメトリクスをご紹介します。

NPS(ネットプロモータスコア)

CXのメトリクスとして最も重要なのは、ネットプロモータースコア(NPS)であることは言うまでもありません。どこにでもあるような見掛け倒しのメトリクスとは異なり、NPSスコアは、既存の顧客があなたのビジネスを周りに勧める可能性がどれだけあるかを測定する、非常に現実的なデータです。

NPSは、顧客に自社からの購入経験についてどう感じているかを尋ねるといったような簡単な調査に基づいており、そしてその回答から、既存のCXがどれだけ効果的でシームレスなものであるかを評価します。標準的なNPS調査では、0~6の回答は「批判者」と呼ばれ、あなたを友人に薦めない顧客です。7~8点の回答は「中立者」、9~10点の回答は「推奨者」と呼ばれます。

この「推奨者」はあなたの会社のアンバサダーになるわけですから、これからも彼らが満足するサービスを提供していきましょう。ただ、0~8点をつけた顧客については、もっと詳しく見ていかなければいけません。彼らは明らかに、あなたのところからの購入でいい経験をしなかったのですから、CXに取り組み、NPS改善の余地があるのです。

このアプローチで、あなたは「お客様第一の企業」に一歩近づくことになり、それは今日の「消費者重視」状況における全てビジネスリーダー達が目指しているはずです。

カスタマージャーニー・タッチポイント

データの重要性はかつてないほど高まっており、業務システム化を重視するどの企業も、カスタマージャーニーの改善には利用可能なデータを使う必要があります。自身の分析を使えば、カスタマージャーニーに何があって販売に至らないのかを、より簡単に特定することができます。

ここで重要なのは、CXのステップを一つひとつきちんと理解すべくカスタマージャーニーマップを作成することです。カスタマージャーニーを視覚的に表現することで、ペインポイントの解決状況、消費者の動機の理解、顧客の正確な動機の特定をもっと簡単にできるのです。

見かけ倒しのメトリクスは気にせず、その代わりに、ウェブサイト、イベント、レビュー、アンケート、SNSから得られるデータに注目しましょう。これらのタッチポイントの分析を用いてカスタマージャーニーにおける既存の摩擦について詳しく見ていけば、既存顧客と将来の顧客へのよりよいサポートには、CXをどのように、どこを微調整する必要があるのかがはっきりわかるのです。

小さな変化がCXを変えることはよくあることです。例えば顧客とのコミュニケーションにBPOコールセンターを加えるといったような単純なことでも、CXが劇的に改善されることもあるのです。コミュニケーション改善の小さなステップですが、そこでCXはよくめちゃくちゃになるのです。分析結果を記録してデータから学び、つまずきを発見したらそこを変えていきましょう。

カスタマーチャーンレート

カスタマーチャーンレートとは、単純に自社から離れた顧客の数を表すものであり、ある期間に解約した顧客をその期間の開始時の顧客で割るという、定義可能で実行可能な式により出されます。具体的には、メールマガジン購読の解除、サービス購読の未更新、または単純に一度きりの購入などがあげられます。

もちろん、チャーンは避けられないことですが、重要なのは、離れていく顧客はどうしてもいるので、その離れていく理由をきちんと知ることが不可欠であるということです。チャーン率を細かくチェックすれば、将来的にチャーン率を下げるためのメトリクスをすぐに得られます。単純に、新規顧客を獲得するより既存顧客を維持する方が費用対効果や収益性が高いので、顧客維持の改善を常に考慮しましょう。

チャーン率が上昇か低下かが分かれば、チャーンを減らすための対策をより簡単にできます。例えば、コミュニケーション・チャネルで顧客が満足のいく体験をしていないとしたら、これを効率化するためのチャットボットサービスを導入した方がいいのではないかといった感じです。カスタマーサポートの質の低さは、チャーン率が高くなる主な理由の1つなので、ブランド支持者と同じくらい、失った顧客のコンスタントな測定は必要です。

顧客満足度

CXを測定する上で、販売後の簡単なアンケートの実施で顧客満足度(CSAT)を構築すること以上に簡単なものはありません。電話でのお問い合わせや、ウェブサイトから購入があれば、その都度すぐにアンケートを実施しましょう。

アンケートは、できるだけ気軽に答えられるようにしなければいけません。例えば質問は「今回の体験にどの程度満足されましたか?」というような内容で、回答は、1~5または1~10のスケールでクリックしやすいものであるべきです。それでそのアンケートの平均点が、あなたのCSATとなります。

反応のいいフィードバックで、さっと簡単にCXについてより深く知ることができますが、CSATスコアは、例えばブランド・ロイヤリティやインタラクションの背後にある理由をCSATスコアでは測ることはできないといったように、少し抽象的であるため、多くの経営者はその価値を理解していません。とはいっても、CSATは、カスタマー・エクスペリエンスを即座に把握できるため、継続的な測定が必要です。

CSATを知るもう一つの方法は、オンライン分析を見ることです。例えば、ページの直帰率が高い場合は、カスタマージャーニーに何か問題があることが考えられ、原因としては、ランディングページの読み込みが遅すぎる、ナビゲーションが明確でない、紹介文が乱暴すぎる、あるいはブランドの一貫性が欠けているなど、基本的なことである可能性があります。直帰率と離脱率の違いを理解し、必要な部分には変更を加えましょう。

顧客からの苦情

カスタマーサービスチームが受ける質問は、情報の宝庫です。なのに多くのブランドが、顧客の質問をモニタリングすることの重要性を見落としているため、CXにおける障害や摩擦を明らかにするようなごくごく普通によくある質問を見逃しているのです。

まず、できるだけ多くの方法でオーディエンスが確実にあなたと接触できるようにしましょう。つまり、SNSの監視、リモートコールセンター管理システムの起動、常時稼働のメール応答チームの設置などです。

同じ質問や苦情が繰り返し寄せられるようであれば、その問題はメトリクスに示されているはずであり、問題の存在が分かれば、その解決はずっと簡単です。コミュニケーションをよく観察し、そこから学びとりましょう。

CES(カスタマーエフォートスコア)

CES(カスタマーエフォートスコア)は、CSATと少し違うのですがよく間違われます。CESは、顧客が抱えているペインポイントを解決するのに、どれだけの努力をしなければならなかったかを測ることであり、購入や製品に関する問い合わせに対する回答を得ることなどがあげられます。

CESで覚えておくべきことは、スコアが高ければ高いほど、リピーターを獲得できる可能性が高くなるということです。スコアが低いと、物事を難しくしすぎているため、顧客は二度とあなたと取引したくないと思うようになります。このことは、2010年にHBRが発表した「 顧客ロイヤリティを高める鍵は、顧客を驚かせることではなく、単純に顧客との体験をより簡単にすることでした。」という研究でも強調されています。

それ以来、CESはあらゆるビジネスモデルにおいて必要不可欠なものとなっており、獲得収益から未獲得収益まで、CXに関する重要なインサイトになっています。CESは、顧客とのやり取りに対する満足度というよりも、問題を解決するために顧客がどれだけの努力をしなければならなかったかということを表すものです。

もちろん、CSATと同様に、CESの取得というのは、インタラクションやエンゲージメントの後に色々と尋ねることにあります。例えば不動産業者の場合、ページの直帰率が高いのは、顧客が求めるものを提供できていない証拠であり、質問をすれば、そのような顧客は、ウェブサイトの静止画像や対面式の展示会ではなく、バーチャルなオープンハウスを求めていることがすぐに分かるでしょう。

よりよいサービスのために何ができるかを常に追い求めていれば、SNSの見せかけだけのメトリクスよりもはるかに価値のあるインサイトが得られるのです。

常に正しいCXメトリクスを測る

企業は情報に圧倒されています。あまりにも多くのデータがあり、膨大な量の詳細な分析を提供するプラットフォームがあるため、無意味なメトリクスをふるい落とし、どこがうまくいっていないのかに焦点を当てることが難しくなっています。正しいメトリクスを知ることは、その情報を集めることと同じくらい価値があるのです。

多くの企業が間違ったメトリクスに焦点を当てているため、CXに関しては、あまりにも簡単にミスが起こってしまいます。正しい分析とBaremetricsのような信頼できるレポートツールを使えば、正しいメトリクスの収集とレポート作成が効率化され、その自動化のレベルは、今日の動きの速いビジネス環境では非常に価値があります。こちらから無料トライアルにお申し込みいただき、顧客のエクスペリエンスをより深く知る方法を是非ご自身でご体験ください。