Shopify Markets:世界に目を向けるパートナーの心得 - Baremetrics Japan

Tomotaka Endo 2022 5 18

Eコマース分野は、規模が大きくなるにつれて競争も激化しています。競合他社に対して優位で居続ける最善策のひとつが、グローバル展開です。しかし、グローバルに販売するには、一連の課題が伴います。

海外販売は、現地販売に比べて複雑な要素が多く、送料、消費税、通関手数料など多岐にわたりますが、こういった料金をすぐに把握することはできません。銀行が市場レートを提示することはほとんどないため、通貨換算における見えない手数料も大きな問題です。

ありがたいことに、最近Shopifyから、海外販売のプロセスをナビゲートするためのツール、Shopify Marketsが発表されました。なんと、販売店が苦労しなくていいように、Shopify Marketsが必要なタスクをすべて引き受けるというのです。

多言語対応、通貨換算、送料や輸入手数料の計算まで、Shopify Marketsはすべてを行います。さらに、カスタムドメイン名やローカルの支払い代行業者へのアクセスも可能です。

これらの進歩は、マーチャントだけが助かるものだと考えてはいけません。Shopifyパートナーには、優れたアプリで改善するためのまったく新しいプロセスと製品があります。マーチャントのグローバル化により、クリエイティブなShopifyパートナーは、このインタラクションで素晴らしい新アプリを生み出す十分な機会が与えられます。

本記事では、Shopify Marketにある新しいツール、API、そして考えられる可能性をすべてご紹介します。もし、あなたが目から学ぶタイプであれば、YouTubeのビデオですべての変更点を発表していますのでご覧ください。ただし、私たちはすべての変更について説明し、ビデオで言及されたすべてのリソースにリンクするので、ビデオをみたらすぐ戻ってきてくださいね。

Shopify MarketsとはーShopify Marketsの特徴

先日行われたShopifyのHydrogen専門のタウンホールミーティングで、Shopify Marketsという新しい取り組みが発表されました。大きく分けて、Shopify Marketsは、マーチャントの国際化を自動化することで、マーチャントショップのグローバル展開がしやすくなるようにデザインされています。

改善点は、店舗のローカライズ支援部分と、グローバル成長を加速させるオペレーションツールの提供部分の2つの機能に分けられます。

すべてのツールを紹介する前に、これは急速に発展しているツール群であることを頭に入れておいてください。そのため、まだオンラインになってないものもあり、マーチャントとShopifyパートナーは、どれが新しく使えるようになったのか頻繁なチェックが必要になります。

Shopify Marketの 機能

1. 市場のローカリゼーション

市場のローカリゼーションを支援するツールはすべて、マーチャントの新しいグローバルストアの、外へ向けた部分とみられます。

発売時点で準備されている機能は、ドメイン、通貨、言語、関税・輸入税、支払い方法などです。それぞれについて見ていきましょう。

ドメイン

地域や言語ごとにカスタマイズされたドメインが「メインのドメインのみ」、「ドメインまたはサブドメイン」、「サブフォルダー」の3つで使えるようになりました。これはSEOに配慮したソリューションであり、Shopify Marketsで簡単に実行できます。

言語と国の両方のグループを作れることに注目してください。例えば、英語(en)のカナダ(ca)には shop.com/en-ca を、フランス語(fr)のカナダ(ca)には shop.com/fr-ca を使用することができ、複数の言語が使われている国には便利です。

Shopifyのタウンホールでのスライドです:

ルートオブジェクトの詳細については、こちらをご覧ください。

言語

Shopify Marketsは20ヶ国語に対応しており、この新しいローカリゼーション機能で、マーチャントがストアを翻訳し、より多くの顧客の購買ニーズに対応できるようになります。

Shopifyのタウンホールでのスライドです:

通貨 

Shopify Marketsは133の通貨に対応しています。これは通貨を切り替えるだけでなく、場所によって購入金額の四捨五入のルールが異なるので、あなたが思うほど簡単なことではありません。

通貨には、市場の最適化オプションがありますが、これについては後ほど説明します。言うまでもないですが、133通貨を扱うのは、単なる電卓機能ではありません。

Shopifyのタウンホールでのスライドです:

提示通貨欄の詳細はこちらをご覧ください。

2. 関税、配送料、消費税

税制は国によって大きく異なります。売上税を課す国もあれば、より複雑な計算が必要な付加価値税(VAT)を用いる国もあります。また、すべての製品に一律の売上税を課す国、製品クラスに応じて売上税率が変わる国、特定の製品や特定の他国を原産地とする製品を完全に免除する国もあります。

輸入税などの関税も同様です。発送側と受取側の両国がレートに影響する可能性があります。こういったことで、経験豊富なEコマースのベテランでさえも、怖気づいてしまうのです。

ここでShopify Marketsを利用すれば、出荷したい国を選択するだけであとはShopifyがやってくれるし、国によって送料を変えることもできるので、マーチャントはこのような情報を知る必要はありません。

ShopifyパートナーでShopify App Storeの会計や配送のセクションにアプリを持っていたら、特にこれらの変更に注意する必要があります。こういった変更は、あなた側のアプリの機能に影響を与えるかもしれませんし、次の大きなリリースのためのインスピレーションを与えるかもしれません。

Here’s the slide from the Shopify townhall:

Shopifyのタウンホールでのスライドです

Order API の詳細については、以下のリンク(RESTGraphQL)を参照してください。 ここにある商品価格、HSコード、原産国InventoryItemリソースを利用して、商業送り状を作成することができます。最後に、フルフィルメント注文APIもご覧ください。

支払方法

アメリカではB2Cのオンライン購入はPayPalとクレジットカードが主流ですが、他の国々はそうではありません。Shopify Marketsが、マーチャントの世界中の買い物客への対応を支援するために最も重要な方法の1つは、その国でのメジャーな支払方法を使用できるようにすることです。

今後の予定

まだ準備中ですが、Shopifyは国際展開をする方に、コンテンツのローカライズのためのツールの導入と、ローカライズされた商品フィードの提供という2つのツールをお届けする予定です。

これらの機能の効果や、この素晴らしい新機能のサポートアプリをShopifyパートナーがどのように開発するのか早く見てみたいものです。

翻訳やコンテンツマーケティングに関連するアプリのアイデアを考えているShopifyパートナーは、きっとこの新変更に大喜びするはずです。

3. マーケットの運用

市場のローカライズ機能はほぼ完成していますが、市場運用ツールはまだ開発途中のものが多くあります。

今回は、マーケット管理、マーケット最適化、マーケット固有の価格設定の3つについて説明します。

マーケット管理

新しいマーケット管理は非常に時間の節約になります。これは、マーチャントがメインストアからローカライズされたストアフロントを作成できるようにデザインされたものであり、国境を越えた各地域でのショッピング体験のカスタマイズを一画面からすることができます。売れ筋やその理由は国によって大きく異なり、例えばある国では積極的な売り込みが必要かもしれないないのに、別の国ではそれが全く通用しないかもしれないといったようなこともあるので、この作業は重要です。

ローカライズは国または地域を指し、両方のオプションがShopify Marketsの管理ページで利用可能です。例えば、マーチャントはヨーロッパの各国に対して異なるローカリゼーションを持つか、EU全体に対して一つのローカリゼーションを持つかを選べます。

言語と地域は別々に設定できるため、EUに1つのショップを設置しても、フランス語圏、ドイツ語圏、スペイン語圏にそれぞれshop.com/fr-eu, shop.com/de-eu, shop.com/sp-eu と作成できます。

Shopifyのブログから管理画面を見た例です。

Source: Shopify

マーケット最適化

マーチャントは、ローカル市場を理解し、それに基づいたローカルな変更を施す必要がありますが、マーケット最適化で、異なるマーケットを理解し、収益を最大化するために管理ページで変更を加えるためのツールが得られます。

コンバージョン率、平均注文金額、総販売比率、総販売量など、重要な関連販売KPIの多くとともに、異なる地域での販売状況が確認できます。

配送や決済などの関連機能がすぐ隣にあるので、入ってきたデータに基づいてその場で簡単に変更することができます。BaremetricsがShopifyパートナーのデータ解釈をサポートするように、Shopifyパートナーには、マーチャントがこの画面で提供される豊富な情報を理解して実行に移せるようなアプリを作る機会がここにたくさんあるのです。

Shopifyのプラットフォームで、ローカル販売の最適化に役立つ国別ダッシュボードのサンプルをご覧ください。

Source: Shopify

マーケット固有の価格設定

ここで、上述した通貨発表のバックエンドの半分を紹介します。国が違えば、地域経済も違います。アメリカの人はTシャツ一枚に40ドルを支払う人は多いかもしれませんが、タイではそうはいきません。米ドルをタイバーツに変えるだけでは不十分なのです。

例えば、米ドルからカナダドルへの換算だけでなく、カナダでは輸入関税の影響を受け、アメリカでは店頭でのパフォーマンスが低下している場合、マーチャントは価格を-10%調整し、現地の売上を伸ばすことも可能です。逆に、イタリアでは一人勝ち状態で商品が非常に好調であることが分かれば、価格を+10%、次に+20%といった具合に調整することができます。

今後の予定

Shopify Marketsは、マーケット別カタログ、マーケット別フルフィルメント、マーケット別ペイアウトという、マーケット最適化の向上を目的とした3つのツールを発表しました。

これらは、ビジネスに積極的なShopifyパートナーが繰り返し使える機能であることは間違いなさそうです。

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Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.