ネットキャッシュフロー (NCF) とは - ビジネス基礎用語の解説

Tomotaka Endo 2023 5 30

ネットキャッシュフロー 、英語でNet Cash FlowはNCFとも略され、簡単に言うと「入ってくるお金から出ていくお金を引いたもの」であり、この指標は、通常、キャッシュフロー計算書に表示されます。

キャッシュフロー計算書は、会社に入るお金と出て行くお金のすべてをまとめたものであり、NCFの計算に使われます。貸借対照表、損益計算書と並ぶ三大財務諸表の一つであり、貸借対照表がある時点の会社の資産、負債、株主資本をまとめるのに対し、損益計算書は一定期間の収入支出をまとめ、会社の純利益を計算します。

キャッシュ・フロー計算書は、損益計算書と同様、一定期間ごとに表示されます。キャッシュフローは、【営業活動】、【財務活動】、【投資活動】からのキャッシュフローに分けられ、より根本的には、【インフロー(流入)】と【アウトフロー(流出)】に分けられます。

NCFは、収益が会社に入る時や費用が会社から出る時と必ずしも一致しないため、SaaSでは特に重要なメトリクスとなります。

Baremetricsを利用すると、キャッシュフローの収集、そして可視化しやくなります。多くのクライアントがいる場合、あるクライアントは年単位で契約し、あるクライアントは月単位で契約し、複数のティアや様々なアドオンがあったら、MRR、ARR、LTV、その他多くを計算するのは難しいですが、ありがたいことに、Baremetrics がこれら全てを代わりに行なってくれます。

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ネットキャッシュフロー 計算方法

NCFの計算式は主に2種類あり、これらは、キャッシュフロー計算書全体をまとめる方程式となります。

最初の2つのNCF方程式は、次のとおりです:

(1) NCF =【営業活動によるNCF】+【財務活動によるNCF】+【投資活動によるNCF】

(2) NCF =【キャッシュインフローの合計】ー【キャッシュアウトフローの合計】

1つ目は、次項目でご紹介するキャッシュフローの種類をまとめたもので、2つ目は、単純に「お金というものは出たり入ったりするもので、どれだけ入って来てどれだけ出て行くか。」というものです。

この2つを、「キャッシュフロー計算書」という一つの大きな方程式に組み変えると:

(3) NCF =(【営業活動によるキャッシュインフロー】ー【営業活動によるキャッシュアウトフロー】)+(【財務活動によるキャッシュインフロー】ー【財務活動によるキャッシュアウトフロー】)+(【投資活動によるキャッシュインフロー】ー【投資活動によるキャッシュアウトフロー】)

NCFの計算には、どのような式を選んだとしても、現金のインフローとアウトフローを把握しておかなければいけません。例をいくつか見てみましょう。

キャッシュインフロー:顧客からの支払い、商品またはサービスの販売、貸付金の受け取り、現金配当、受取利息、固定資産の売却、サプライヤーやベンダーからの還付、補助金、第三者からの資金調達、訴訟の解決、保険金請求、設備の売却、不動産の売却など。

キャッシュアウトフロー:給与、仕入先・販売先への支払い、税金、手数料、罰金、ライセンス、支払利息、燃料・交通費、家賃、光熱費、マーケティング・広告費、債務の支払い、株式投資、自社株買い、株主還元、不動産の購入など。

ネットキャッシュフロー : 活動の3タイプ

NCFは3つのカテゴリーで構成されています:

  1. 営業活動:管理費の支出や顧客からの収入など、ビジネスの一般的な運営からキャッシュフローを生み出す活動
  2. 財務活動:債券、借入金、株式などを通じて、借入金の返済や配当金の支払いなどのキャッシュフローを生み出す活動
  3. 投資活動:例えば、新しい機器の購入や、中心事業計画外のプラットフォームの売却など、会社の長期的な構造を変えるような大きな購入や売却に関連するキャッシュフローを生み出す活動(BaremetricsがIntrosを10万ドルで売却した方法については、こちらの記事をご覧ください)

重要なことは、3つのカテゴリーすべてにおいて、「キャッシュインフロー」と「キャッシュアウトフロー」があることです。

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その他のキャッシュフロー

キャッシュフローの種類としては、NCFが最も多く取り上げられていますが、その他にも、OCF(Operating Cash Flow: 営業キャッシュフロー)、FCF(Free Cash Flow: フリーキャッシュフロー)、FCFE(Free Cash Flow Equity: 株主資本に対するフリーキャッシュフロー)などがあります。

  • OCF(営業キャッシュフロー):OCFは、企業が通常の営業活動から生み出す現金の量を示しています。OCFとNCFの大きな違いは、OCFには固定資産の購入や維持のための投資である資本的支出が含まれていない点です。

なお、この3つのキャッシュフロータイプのうち、GAAP(Generally Accepted Accounting Principles: 一般に公正妥当と認められた会計原則)が承認する指標はこの1つだけです。

  • FCF(フリーキャッシュフロー):OCFから資本的支出を差し引いたものであり、経営陣が自由に使えるキャッシュを示す。
  • FCFE(自己資本に対するフリーキャッシュフロー):FCFに純有利子負債を加えたもの、または純有利子負債の返済を差し引いたもの

ネットキャッシュフロー 重要な理由

流動比率と当座比率は企業の流動性を測る指標ですが、NCFは流動性が時間とともにどのように変化しているかを示す指標です。通常、資金繰りの悪化は他の財務上の問題に先行するため、キャッシュポジションの把握は、企業が存続し、機動的であり続けるために非常に重要なものです。

実際、ビジネスの存続に関する指標は、「収益性」と「キャッシュフロー」の2つです。直感に反するかもしれませんが、十分なキャッシュフローがない収益性の高い企業は失敗する運命にあり、特に収益性の高くない企業でも、キャッシュフローがしっかりプラスになっていれば、収益性を回復させるために十分長く生き残ることができるのです。

なぜこうなるのでしょうか。儲かっている会社がキャッシュフローをうまく維持できない大きな原因のひとつに、売掛金をタイムリーに回収できていないという点があります。売掛金とは、取引先から得たものの、まだ回収されていない収入のことですが、残念ながら、すべての売掛金が回収可能なわけではなく、待てば待つほどそのお金を回収できる可能性は低くなるのです。

このようなことが起こる大きな理由の1つに、クレジットカードの失敗によるものがあります。未払いはどの企業にとっても非常に重要な部分であり、不本意なチャーンを止めることは、今日あなたの会社のためにできる最善策の一つです。一時的な資金繰りの悪化が、長期的な収益性を損なわないようにすることができるのです。MRRの最大9%は、支払い失敗による損失のリスクがあります。そこでBaremetricsの出番です。

BaremetricsのRecoverには、売掛金を確実に回収するための優れた未払い回収ツールがあります。

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ネットキャッシュフローの限界

個々のビジネス指標に完璧なものはなく、それはNCFも同じです。ビジネスでは「手元資金が多い方が良い」というのが一般的な認識ですが、必ずしもそうではありません。

例えば、ある企業が新たな資金を借りた(負債を負った)ことで突然多額のNCFがプラスになったとしても、それは財務の健全性を示す最良の指標とは言えないかもしれません。負債そのものが悪いわけではありませんが、この現金流入がビジネスにとって良いものなのか、それとも差し迫った崩壊の前兆なのかを判断するには、負債を抱えた理由とその負債にかかるコストが重要なのです。

逆に、投資活動の流出が大きいと、企業の生産能力が高まり、健全な成長の証となる場合もあります。

その他、配当金の増額や不利な条件での借入金の繰り上げ返済など、健全な企業の証となりうるキャッシュアウトがあります。

企業のキャッシュフロー・ポジションは重要ですが、バブル期においては、それだけでは企業の総合的な健全性を評価することはできません。特にSaaS企業の場合、MRR(月間経常収益)、ARR(年間経常収益)、LTV(顧客生涯価値)、CAC(顧客獲得コスト)、チャーンなど、他のメトリクスも考慮されなければいけません。

Baremetricsを使ってNCFの測定や予測

自社のNCFの計算は簡単ではありません。おそらく、ビジネスの性質や対象とする顧客に応じて、決済ゲートウェイ(または複数のゲートウェイ)を使用していると思いますが、すべてのデータを検索して、どれだけのお金が入ってきたかを確認するのは難しいです。

この把握は難しいだけでなく、時間がかかり、他の業務にも支障をきたします。複数のプラン階層があり、月払いの顧客もいれば年払いの顧客もいる、さらに拡張MRRを高めるためのさまざまなアドオンがある場合、これはもっと大変になります。

収益の伸びやNCFを予測する前でさえ、さまざまなプラットフォームからすべてのデータを取り込み、読みやすい形で表示するプラットフォームが必要なのです。

簡単に様々な指標を把握するためには、ぜひBaremetricsを活用してください。14日間の無料トライアルも提供しております。

皆様のビジネスが健全なキャッシュフローを維持して、更なる成長につながるツールとして一役を担ってくれるはずです。

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Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.