SaaSの基礎知識:粗利益とは?

Tomotaka Endo 2021 6 8

Gross Margin 粗利益 は、売上原価を差し引いた後に残った収益です。 これは、総収益のパーセンテージとして表されます。これは、運営費を支払い、ビジネスに再投資する必要がある金額です。 粗利益 を監視することは、スタートアップにとって非常に重要です。 粗利益率が高いということは、ビジネスの成長に費やすお金が残っているため、より速く成長できることを意味します。

粗利益 の計算

粗利益 を計算するには、最初に 売上原価(COGS:Cost of Goods Sold)を知る必要があります。 COGSには、サービスまたは製品を顧客に提供するために必要なすべての費用(つまり、ホスティング、サポート費用、サードパーティとの統合費用など)が含まれます。 COGS の計算について詳しくは、このアカデミーの記事をご覧ください。

売上原価 がわかったら、COGSとMRRの差を収益で割って、粗利益 を求めます。

粗利益率の計算式

たとえば、製造、梱包、出荷に300円かかる1000円のペンを販売した場合、各ペンの粗利益は70%になります。

粗利益率 =(1000円 - 300円)/ 1000円= 70%

SaaS企業にとって良い 粗利益 はどれくらいか?

当たり前の算数ですが、お金を稼ぎたいのなら、商品を作るのにかかる費用よりも大きな価格でその製品を売る必要があります。 その商品をより高値で売れば、利益 は上がります。

一般的に、成長するにつれて 粗利益 を増やしたいと考えています。 粗利益率をあげるためには、100円の収益がビジネスにはバカにできません。

粗利益率 が10%のA社と 粗利益率 が80%の競合他社B社を比較してください。 会社Aは、売り上げ100円あたり10円を会社に再投資することができます。 B社は100円で80円になります。 これは特にスタートアップにとっては、マーケティングや研究開発費に関しては大きな利点です。 このため、収益が10億円の企業が、収益が20億円の企業よりも価値がある可能性があります。

実際、ほとんどのVCとSaaSの専門家は、SaaS企業が約80%の粗利益を目指していることを示唆しています。

SaaS企業が目指すべき 粗利益 は?

こちらの数値は、あくまで目安となりますが、海外の著名人が提示した数字は以下になります。

John Greathouse, GoToMeeting –  80%以上
Jason Lemkin, SaaStr –  80%以上
David Cummings, Pardot – 70-80%
Tom Tunguz, VC Redpoint – 50 – 75% (SaaSのステージによって)

また、下図のグラフより、海外のSaaS会社が会社設立から、どのような粗利益を持っているかを示してくれています。赤いラインが平均となりますが、どのステージにいようと、50%以上を維持されている形にはなっています。

SaaS企業の 粗利益 トレンド

SaaSビジネスの設立年度と粗利益の割合の相関

粗利益 の改善

粗利益 を改善するには、収益を増やすか、売上原価 を減らすかの2つのオプションがあります。

始めたばかりの場合は、規模の経済の恩恵を受けていないため、粗利益率 が低くなる可能性があります。 より多くの顧客を獲得するにつれて、それぞれをサポートする方が安くなります。 その結果、売上原価 が減少し、粗利益が増加します。

粗利益 を増やすために、コストの削減と価格の引き上げを続けたいと思うかもしれません。 しかし、それはバランスをとる行為です。 品質が低すぎる、または製品が高すぎると、顧客が少なすぎる可能性があります。 $ 1000の収益の50%の粗利益は、$ 500の収益の90%の粗利益よりも優れています。

ビジネスの指標を計算したい方は、是非Baremetricsをご利用ください。無料トライアルで体験もできます。粗利益などは、常にフォローしたい数字であるので、アナリティックスツールがあるととても便利です。

Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.