永久ライセンス vs サブスクリプション

Tomotaka Endo 2023 7 3

便利なソフトウェアのアイデアを持つエンジニアや起業家には、「収益化」という目標があります。ソフトウェアの収益化とは、簡単に言えばソフトウェアから収益を得ることです。

例えば、潜在的な顧客に十分な価値を提供するアプリを開発し、その使用料としてお金を請求できるとしましょう。夢のような話ですね!でも、どの請求モデルがあなたと顧客にとって最適なのかは、どのように判断すればいいのでしょうか?

本記事では、最も一般的な価格モデルである【永久ライセンス】と【年間ライセンス】、およびその発展型である【サブスクリプションモデル】について解説していきます。さらにソフトウェアを収益化するためのその他の一般的な方法についてもお話します。

Baremetricsには、MRR(月次経常収益)、ARR(次経常収益)、LTV(顧客生涯価値)、総顧客数など、あなたのビジネスに関する全ての重要なメトリクスが提供された、読みやすいダッシュボードがあります。そこにあなたのソフトウェアにとって「永久ライセンス」と「年間ライセンス」のどちらがが最適かを判断するのに必要な情報を提供しております。

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永久ライセンスとは

永久ライセンスは、ソフトウェアを販売するためのシンプルで古典的な方法です。製品を1回限りの料金で販売し、購入者はその製品を無期限で使用することができます。

通常、開発元はちょっとしたアップデートを行いながら製品を維持します。アップデートは、セキュリティと、ハードウェアや運営システムのアップグレードに伴う製品の互換性維持に重点を置いて行われ、メンテナンスの費用は、最初の価格に含まれている場合もあれば、年間メンテナンス費用がかかる場合もあります。

販売者としては、現在の顧客からより多くのお金を得るために、新しいバージョンのソフトウェアの作成が必要となります。

その一例が、Microsoft Officeです。Office 2013は2013年1月29日に発売され、同製品のメインストリームサポートは2018年まで提供されますが、メンテナンスプログラムは2023年まで延長されます。

2013年以降、Microsoftは2015年にOffice 2016、2018年にOffice 2019と2つの新バージョンをリリースしています。

既存の顧客からより多くのお金を得るために、マイクロソフトは全く新しいバージョンのMicrosoft Officeを販売し、古いバージョンを廃止する必要があったのです。

年間ライセンスとは

製品がなくなるまで使用できる永久ライセンスとは異なり、年間ライセンスは、ソフトウェアパッケージにアクセスする許可が1年間だけ有効であり(これはソフトウェアを「レンタルしている」と考えることができます)、製品やサービスの月額または年間サブスクリプションを取得することができる「サブスクリプションライセンス」のカテゴリに分類されます。

年間ライセンスでは、ユーザーが翌年も製品を使用したい場合、翌年分のライセンス料を支払う必要があり、その繰り返しとなります。ほとんどの年間ライセンスは、サブスクリプション方式で提供されています。

SaaSのサブスクリプションモデルでは、製品の継続的な使用に対して、多くの場合、毎月または毎年、販売者から顧客へ課金するための請求情報が、顧客へ提供されます。

Microsoft Office 2016とは異なり、Microsoft 365は年間ライセンスでリリースされています。Microsoftのすべてのソフトウェアを使用する権利に対して、1年または1ヶ月に1度料金を支払います。ただ、新バージョンが販売されたときだけ大掛かりなアップデートが行われる他のバージョンのOfficeとは異なり、365では定期的に実質的なアップデートが行われています。

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永久ライセンスと年間ライセンスの違い

サブスクリプション・ソフトウェア・ソリューションは、ここ10年でますます人気が高まっていますが、それには理由があります。

SaaSビジネスでは、【永久ライセンス】と【年間/サブスクリプション・ライセンス】のどちらがいいかという問題に直面することがあり、この問題は、「販売頻度」と「アップデートの頻度」という2つの重要な領域に影響を及ぼします。どのような価格モデルが最適かわからない場合は、こちらの関連記事をご覧ください。

永久ライセンスと年間/サブスクリプション・ライセンスの長所と短所は、以下のカテゴリーにまとめることができます:

i. 支払い

永久モデルでは、一括払いでソフトウェアが提供され、オプションとして年間のメンテナンス料が課されます。

サブスクリプションモデルは、通常、毎月または毎年の定期的な支払いを伴い、永久モデルのような「所有」ではなく、製品を「レンタル」していると考えられます。

顧客が製品を長く使うのであれば、月払いや年払いにした方が、より多くのお金を顧客から得られるでしょう。一方、製品を短期間しか使用しない顧客に対しては、前金で多くの費用を請求する方がより多くの利益を得ることができます。どの価格モデルが最適かは、顧客の行動や製品・サービスとの関わり方によります。

ii. 実装

永久ライセンスモデルでは、一般的にソフトウェアを顧客のサーバーにホスティングするため、多額のハードウェア費用とカスタマイズ作業が必要になります。

ソフトウェアは、サブスクリプションモデルで顧客のサーバーにホスティングされることもありますが、一般的にはデベロッパーのサーバーにホスティングされ、ハードウェアの費用を削減し、よりシンプルに使用することができます。

iii. アップグレードとサポート

永久モデルでは、通常、顧客に最小限のサポートとアップグレードがあり、オプションのサービスパッケージで補うことができます。

一方、年間ライセンスモデルでは、アップグレードやサポートは料金の一部となり、使用しているソフトウェアの継続的な改善が期待されます。

その他のソフトウェアの収益化法

ソフトウェアの収益化には様々な方法がありますが、どれが一番効果的かは、以下のような要因によって決まります:

  • ソフトウェアの種類
  • 費用構造
  • ターゲット市場
  • 顧客の期待やニーズ

ソフトウェアを収益化する方法について、いくつか簡単に見てみましょう。サブスクリプションモデルを選択した場合、サブスクリプショの価格設定にも多くのバリエーションがあることを覚えておきましょう。

ソフトウェアライセンシングのソリューション:これはまさに、本記事で議論されてきたことです。便利なソフトウェアを作成し、それが他の企業にもたらす価値に基づいて販売します。そして、そのソフトウェアを長期間にわたって維持するための費用を顧客に請求し、同時に、将来販売するための新しいバージョンにすぐに取り掛かります。

サブスクリプションビジネスモデル:これもまた、サブスクリプション価格の別名です。毎月、または毎年、顧客に課金する価格を設定し、常に改善されるソフトウェアパッケージを提供し、維持します。

フリーミアムモデル:もし、顧客がなかなかサブスクリプションに申し込んでくれない場合は、限定的な無料バージョンを提供することで、その価値を証明することができます。そして、機能を追加したり、製品の可能性を最大限に引き出すために課金することができます。よくある例としては、広告でサポートされている無料版と、広告のない有料版を用意することです。

オープンソースモデル:このモデルでは、オープンソースライセンスのもとで、世界中の人々がソフトウェアのコードとすべてを自由に使えるように提供します。テクニカルサポートやホスティング、プレミアム機能などは有料で提供することができます。

アプリ内課金:これは特にB2C市場で一般的です。アプリを無料でダウンロードしてもらい、そのアプリ内でデジタルアイテムを販売することで、アプリの本来の可能性を引き出すことができます。これはモバイルゲームでは一般的な収益化戦略ですが、他のセグメントでも有効です。

アプリ内広告:これもB2C市場で人気の収益化戦略です。特にモバイルアプリでは、ターゲット広告のクリック率が高いため、大きな収益につながる可能性があります。広告を永久的または月単位で削除するためにユーザーに課金することで、このモデルをフリーミアムやアプリ内課金モデルとブレンドすることができます。

従量課金モデル:ソフトウェアの無制限使用料を毎月請求する代わりに、使用量に応じた課金が考慮されます。提供するデータ量、ソフトウェアの使用時間、製品にアクセスする人数、または使用する機能ごとに請求することができます。

新規顧客は、当初は1つの機能にしか興味を示さないかもしれないので、ソフトウェアのコストを削減することができ、ターゲットを絞ったコミュニケーションと付加価値の実績があれば、より多くの機能を使ってもらうことができます。

アフィリエイト・マーケティングと見込み客の生成:このシステムでは、製品から直接収益を得るのではなく、製品を使ってトラフィックを誘導し、そのトラフィックを他のサイトへ誘導して、クリックごとにコミッションを支払います。

Baremetricsを使ったサブスクリプション収益のモニタリング 

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Baremetrics は、すべての販売データの収集や、その可視化を簡単にすることができます。クライアントが多くいる場合、年単位で契約している人もいれば、月払いの人もいます。また、複数のティアや様々なアドオンがあるため、MRR(月次継続収入)、ARR(年間継続収入)、LTV(顧客生涯価値)などを計算するのが難しい場合がありますが、ありがたいことに、Baremetrics がこういったことを全てを代行してくれます。

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Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.