TTV とは
Time to Value(TTV)は、新規顧客が製品の価値を実感するまでにかかる時間のことです。ビジネスとして目指すべきところは、TTVを短縮し、新規顧客がより早くあなたのサービスの価値を見いだせるようにすることです。SaaSの世界では、顧客を失うことは日常茶飯事です。これは、オンボーディング期間ほど、よく顧客が離れやすい傾向があります。お客様が解約するまでの間に価値を示す時間は限られています。顧客は製品のセットアップや学習に多くの時間や労力を費やしたいとは思いませんから、最初のオンボーディングが大きな鍵となるでしょう。
昔、顧客が永久ライセンスを購入した頃、TTVはそれほど重要ではありませんでした。ほんの数年前までは、お客様が永久ライセンスを購入する時代でしたので、TTVはそれほど重要ではありませんでした。ただ、SaaSビジネスでは違います。オンボーディング時の価値への理解への遅延やフラストレーションが大きくなり顧客の許容範囲が非常に狭くなっています。そのため、お客様の離脱も早くなってしまう傾向があるのです。
TTVが短いということは、お客様が投資した時間に対するリターンをより早く得ることができるということであり、その結果、お客様が定着しやすくなるということです。
TTV でいう価値とは何なのか?
価値を実感するまでの時間を測定するには、「価値」の意味を知っておく必要があります。SaaSの場合、「価値」とは、お客様が製品から得られると期待している利益のことです。ここで注意していただきたいのは、「どんな価値を提供したいのか」ということではありません。これは、お客様の視点から見た価値を意味しています。
例えば、Twitterのフォロワー数を増加させる広告を出しているとします。あなたの顧客が求めている価値は、フォロワー数の増加です。クールなレポート昨日や洗練されたダッシュボードではありません。たとえそれらが素晴らしい付加物であったとしても、お客様があなたにお金を出すのは、あなたが「Twitterのフォロワー数を増やすことができる」と言うからなのです。それが実現するまでは、お客様は価値を認めていないのです。
もしあなたがTTVの指標を測定してその数値を短縮することを希望しているなら(皆さん、そうすべきですが)、あなたの価値という定義に対しては顧客と同じである必要があります。
TTV の減少させる方法
TTVを減らすには、まずあなたが顧客の『やった!』という瞬間を発見する必要があります。この瞬間は、顧客があなたの製品の価値を最初に理解したときです。Dropboxの場合は、お客様が初めて共有フォルダにファイルを追加したとき、Facebookの場合はユーザーが登録後1週間で10人の友人とつながったときなどが当てはまるでしょう。
AppCuesは、『やった!』を見つけるための非常に詳細なガイドを作成・シェアしております。
顧客が『やった!』と声をあげるポイントがわかったら、そこにたどり着くまでの最も効率的なルートを決める必要があります。余計な摩擦を減らすことで、より多くのお客様がオンボーディングのステップを完了することができます。例えば、AirBnBでは、閲覧する前にサインインすることを強制していません。これは、素晴らしい宿泊施設を見つけることがお客様を惹きつけ、先決であるからです。
TTVの縮小に影響を及ぼす、価値のある方法をいくつか以下で紹介します。
1. オンボーディングガイドの作成:
オンボーディングガイドは、製品内のドキュメントでも、いくつかのドリップメールでも構いません。オンボーディングガイドは、セットアップ方法や最初にすべきことなどの情報を提供し、お客様が価値を見出すまでの道のりをスムーズにすることが期待されます。
2. カスタマーサクセスマネージャーを配置:
製品のセットアップに手間がかかる場合は、より実践的なアプローチを試みます。お客様のニーズに合わせたサービスを提供することで、より早くお客様に価値を感じていただけます。カスタマーサクセスマネージャーは、セットアップをサポートしたり、個別のトレーニングセッションを提供したり、最初のコンタクトポイントとなることができます。
3. 製品を使いやすいように改善:
価値を実現するための道のりは、製品の中で最も摩擦の少ない、直感的な道筋にしなければなりません。説明が不明確であったり、ボタンが適切に表示されていなかったり、設定が複雑なメニューに埋もれていたりすると、お客様は「やった!」と思う前に試行錯誤をやめてしまいます。ユーザーテストや製品の使用状況の統計を取ることで、小さなUXの改善がTTVに大きな変化をもたらす領域を特定することができます。
TTV の改善を
TTVを改善すれば、顧客の解約率を下げることにも繋がり、あなたのビジネスの成功にも繋がります。価値を提供するのがSaaSの重要なパートになりますので、様々な指標を追跡し、さらなる成長を目指しましょう!
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