Stripeの財務レポート:出来ること、出来ないこと - Baremetrics Japan

Tomotaka Endo 2022 6 5

Stripeは2010年に設立された決済処理を行う会社ですが、レポートの作成にも利用されています。同社は、主に大物投資家イーロン・マスク氏の関与により多くのメディアで話題を呼んでおり、200万近いウェブサイトにStripeのレポートが使われ、決済処理のカテゴリで18.54%の市場シェアを占めています。

もちろん、メディアで話題になったからというだけで、Stripeや他のレポート・分析プラットフォームを使うべきではありません。

本記事では、StripeのメトリクスとStripeの財務レポートを、私たちがBaremetricsで提供しているものと比較しますが、本記事で言われることを鵜呑みにせず、14日間の無料トライアルにサインアップして、実際にご自身の目でお確かめください。

Stripeは財務レポートも可能な決済代行業者ですが、Stripeの支払いやビジネスの運営全般についてより深い見解を得たいと思うのなら、Baremetricsが最適です。

Stripeのレポートをもっと深く掘り下げたい方にはBaremetricsがおすすめというか、実は、BaremetricsはStripeと一緒に使うのがベストなのです。

Baremetricsは、Stripeとの統合のために構築された財務報告ツールです。Stripeのレポートから受け取る以上の情報が必要な場合は、Baremetricsを使ってギャップを埋め、詳細なレポートが作成できます。

Stripeレポートとは

A Sample Stripe Dashboard

Stripeは、アカウント内の取引やアクティビティを照合するための標準的な財務レポートの提供が可能です。概要を表示するダッシュボードがあり、項目別アカウント(CSV形式)としてダウンロードするオプションもあります。

Stripeの財務報告書に記載される情報

Stripeには、主に残高と入金の照合という2つの財務報告ツールがあります。このツールによって、取引履歴や支払いに関するレポートが作りやすくなります。

1. 残高報告

Stripe残高報告は、取引履歴とその取引に関連するその他のカスタムデータのCSVレポートを提供します。銀行明細に似ており、Stripeを銀行口座のように使って自分の手で支払いを行っている企業にとっては便利な機能です。

Stripeの残高レポートを使えば、月末に残高照合ができます。

2. 入金照合

自動支払いを有効にしていて、各入金での決済取引を照合したい場合は、このレポートを使用します。支払照合レポートは、支払いやその他の関連取引をまとめて照合します。

Stripe取引報告とは

Stripeの主な取引報告書は、残高報告書と支払照合報告書の2つです。

残高報告書には、項目別の取引履歴が表示され、自分の手で会計作業する場合に利用できるCSVファイルです。

支払照合報告書は、特定の日付範囲内の取引をまとめたものです。

Stripeで計算されるメトリクス

Stripeは、Saasビジネスに関連するメトリクスがあり、成長、維持、加入者情報、製品、コレクション情報のカテゴリの下で測られます。

1. 成長

Stripeでは、特定期間のMRR(月間経常収益)MRR成長率純収益、新規加入者数が表示され、関連する場合は、製品およびプランごとのMRRの表示もできますが、トライアルユーザーをMRRの計算に含めることがあるため、データが膨れ上がる可能性があるのが少し残念です。

2. 保持

Stripeでは、加入者のチャーン率、解約収益、加入者維持、コーホート別の収益維持の確認ができます。

3. 加入者情報

Stripeでは、加入者1人あたりのARPU(平均収入)LTV(ライフタイムバリュー)、上位加入者、最近解約した加入者を確認できます。

4. 製品情報

製品情報により、企業はビジネスの性質に応じて、製品別またはサービスプランごとのMRRを確認できます。

5. 回収情報

Stripeは、回収された収益と未払いの請求書についてのインサイトを提供します。

Stripeカスタムレポートとは

技術やデータ分析に精通している方であれば、Stripe Sigmaを使って、引落し、返金、不成立などのデータを明らかにするカスタムレポートを作成することができます。Sigmaはカスタマイズ可能なSQLツールで、ユーザーはクエリを作成し、メトリクスが時間とともにどのように変化するかを追うことができます。

テンプレートを使って、誰でもクエリを作成・編集することができ、利用者は月ごと、年ごとの経常収益、顧客ごとの平均収益、あるいは未払いの請求書の数などの詳細なカスタム・レポートの作成ができます。あらかじめパッケージ化されたレポートを好まない企業にとっては非常に優れたツールです。

Stripeの月次レポートとは

請求、払い戻し、手数料など、月ごとにまとめられたすべてのアカウントアクティビティを最終日までダウンロードでき、Stripeのダッシュボードから確認できます。また取引データは、アカウントのビジネス設定から、フィルターにかけてCSVでエクスポートしたり、月次レポートやQuickBooks形式のエクスポートをダウンロードすることも可能です。

Source: Stripe DOCS

Stripeで表示されないメトリクス

Stripeには優れたレポート機能が多数あり、ダッシュボードには必要な情報が表示されますが、そのレポート法には、補足がいるかもしれないような盲点がいくつかあります。

1. 予測

MRRの成長率は素晴らしいメトリクスですが、機械に頼らない予測は簡単ではありません。StripeはMRRが表示されますが、収益の予測は提供されません。

2. MRRの動向

Stripeのレポートでは、ボタンをクリックするだけで新規および加入中のサブスクリプションが表示されますが、プランの数量、アップグレード、ダウングレード、引落し不履行、払戻しは、このように簡単に掘り下げて識別することはできません。督促管理はSaaSビジネスの重要な部分であるため、レポートと直接統合できる追加の自動化ツールを探してみてはいかがでしょうか。

3. 解約されたサブスクリプションまたは解約の見解

Stripeで収益に基づいたチャーン率の表示はできますが、ダウングレードと実際の解約は表示されません。つまり、顧客が離れていることはわかりますが、なぜ解約しているのかはわからないということであり、顧客のメトリクスやモチベーションを掘り下げるのは難しいということです。

4. トライアル

Stripeは、ソフトウェアソリューションのトライアル版を使用している顧客について識別できません。

5. 顧客プロファイルと人材インサイト

SaaS企業として、より深いプロファイリング情報がほしいかもしれませんが、Stripeのレポートには顧客に関する情報はほとんど含まれておらず、サードパーティデータを使用しての情報の補強はできません。

6. ベンチマーク. 

ベンチマークで、企業が自社について独立した視点を持ち、出来栄えや提供面で競合他社と比較してどの程度優れているかを把握できます。ベンチマークは、顧客や投資家に売り込む際の優れた営業ツールになりますが、Stripeでは、Stripeのメトリクスを同じ規模や範囲の他の企業と比較することはできません。

Image: Baremetrics’ Benchmarking Tool

7. 区分化

Stripeでは、例えば、解約した顧客と利用しているプランを照らし合わせてみるなど、きめ細かい区分化ができないため、どの戦略が有効で、どの戦略が有効でないかを判断しにくい場合があります。

Baremetricsよる財務レポート

Stripeは基本的なレポートを提供し、チームの立ち上げをお手伝いしますが、成長中のSaaSやサブスクリプション企業は、より深く、正確で、補足的なツールを求めてBaremetricsにアップグレードしています。

Baremetricsには Stripe と同様に多くのレポートが備わっていますが、現在の財務状況に加え、将来の財務予測にも重点を置いています。

Baremetrics のテンプレートを使って複数のシナリオを作成し、最高な場合と最悪な場合の出来栄えのシナリオを反映する変数を含めることもできます。また、シナリオと実績を毎年比較することで、精度が高まり、KPIの測定ができます。 

財務レポートがよくなると、より良い意思決定ができるようになります。

Baremetricsが提供するよりスマートな財務報告

Baremetricsのツールキットで、カスタマイズ可能な期間でのより詳細なデータを見ることができます。以下は、BaremetricsにあってStripeにないツールです。

1. 予測

フォーキャストツールでは、MRR、キャッシュフロー、顧客等の射影など、企業の将来について情報に基づいた予測ができます。

Image: Baremetrics Forecasting Dashboard

2. 深く掘り下げられたレポート

レポートツールは、Stripeやその他の決済処理業者から直接データを取得し、その情報を分かりやすいグラフやチャートで表示します。

Baremetricsは、MRR(月間経常収益)、ARR(年間経常収益)、純収益など、SaaSに不可欠な26のメトリクスを追跡します。

また、画面にあふれるほどの日報ではなく、四半期ごとや年次ごとにまとめられたデータを見たいと思うかもしれません。結局のところ、SaaS企業には、運営モデルの3つのステートメント構造だけでは伝えきれない、多くのユニークなメトリクスやKPIがあるのです。

3. トライアルのインサイト

トライアルは有料プランへの誘導のための貴重なツールです。Baremetricsを使えば、トライアル中に顧客がどのような行動をとったかを測定できます。すべての機能が使えているか、毎日ログインしているか、、、もしそうでないなら、電話で簡単にサポートしたら、トライアル終了後にサインアップしてもらえるかもしれません。

4. 充実した顧客プロファイル

あなたの成功は顧客にかかっています。Baremetricsは、財務報告ダッシュボードから直接、顧客に関するディープな所見を提供しているので、それによって顧客の所在地、生涯価値、そして取引を見ることができます。

Baremetricsでは、こういった顧客を好きなように区分化することもできます。ホームベースで何人の顧客がサインオンしたかを一目で見たいと思いませんか?あるいは、ボタンをクリックするだけで、今週キャンセルした顧客のチェックができます。

Baremetricsは、チャーンを減らし、不履行分の支払いを回復するためのRecoverツールも備えており、すべて同じプラットフォーム上で提供されます。

早速最初のレポートを見ましょう

Stripeは、データに関する基本的なことを表示するには最適ですが、現状を完全に把握するには十分ではありません。Baremetricsを使えば、より詳細な情報を見ることができ、より良い意思決定に役立つすべての重要なメトリクスにアクセスできます。

Baremetrics で予測を始め、顧客データを深く掘り下げ、財務メトリクスを全部一箇所で調べることができます。今すぐ無料トライアルを始めましょう。

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Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.