販売モデル : SaaSビジネスにおけるベストな戦略の選択

Tomotaka Endo 2023 3 22

正しいSaaS 販売モデル を選択することで、メトリクスが改善され、ビジネスの成長につながります。

本記事では、SaaSの3つの主な販売モデル、各モデルの違い、そして自身のビジネスでそれをどのように活用できるかについてお話します。

セルフサービス型 販売モデル

このモデルでは、セールスチームは必要ありません。その代わり、極めて強力なマーケティング戦略を作るのに重点を置きます。

インバウンドマーケティングの取り組みでオーディエンスを惹きつけることでセルフサービス型の販売モデルを採用しているSaaSビジネスは、マーケティングの自動化と効果によって運営コストを最小限に抑えることができます。

セルフサービス型販売では、優れたCX(カスタマーエクスペリエンス)とサポートへのシームレスなアクセスの提供が非常に重要です。ということは、もし顧客が自分で探しているものを見つけられなかったり、必要なサポートにアクセスできなかったら、競合他社にビジネスを移してしまうでしょう。

そしてこのモデルは、大規模で高価な製品よりも、低価格帯や取引量の多いB2C(企業対一般客の取引)のSaaS製品に最も効果的です。

制限付きの無料版と有料版の両方を提供する「フリーミアム」アプリの場合、アップグレードする価値があるかどうかをユーザーが自分で判断できるようにするのは素晴らしいことです。また、初期段階のスタートアップであれば、セールス担当のチームに割くリソースがない可能性が高いので、この方法は効果的です。

潜在顧客に対して、より高価格の製品に大きな投資をしてもらいたい場合、セールスのプロによる追加的な説得が必要となり、他のSaaS販売モデルの背後にある戦略から利益を得ることができるかもしれません。

トランザクション型 販売モデル

このモデルは、あらゆる規模のビジネスに対応できるため、最も広く使われているSaaSモデルです。

このモデルでは、マーケティングチームは、主に見込み客を作りそれを適格な見込み客へ持っていくことに重点を置き、セールスチームは、ファネルの下層ステージでコンバージョンを促します。

セールスとマーケティングの連携は不可欠です。例えば、マーケティングチームが無料トライアルを中心に戦略を立てることがあれば、セールスチームの責任として、そのトライアルをフォローアップして、その維持とロイヤリティを促さなければいけません。

ただ、トランザクションモデルでは、顧客獲得に注力するあまり、獲得後の維持に十分な力を注げないという罠に陥りがちです。

このような注力のバランスが崩れると、チャーン率が高くなり、長期的な成功に大きな影響を与えることになります。

トランザクションモデルを使用する場合、最新のデータで、一貫したトランザクションのモニタリングが重要です。

チャーン率、顧客維持率、その他の主要なサブスクリプションメトリックスを、Baremetrics の無料トライアルを始めて、モニタリングして改善していきましょう。

エンタープライズ型 販売モデル

このモデルは、企業が多額の予算、多額の購入品、大量のデータを扱っているため、最も複雑です。

企業は、SaaS 製品を個別で購入するのではなく、チーム全体にSaaS製品へのアクセスの提供が必要であることが多いです。また、SaaSのエンタープライズ契約(invalid link)に関わる多くのステークホルダーやユーザーのニーズに対応するため、セールス担当者やカスタマー・サクセス担当者の配置が必要になります。

また、エンタープライズ向けSaaSの販売には、予算、経費、承認などの制約があります。そのため、企業向けの営業プロセスは非常に実践的であり、セールス担当者は、見込み客の生成やターゲットとなる組織内の重要人物への直接の調査に取り組みます。

新規顧客は、導入やセットアップの際にサポートを必要とするため、長期的な顧客維持にはカスタマーサポートが絶対に欠かせません。

より高価で複雑なB2B(企業間取引)製品を提供する場合、エンタープライズモデルはSaaSビジネスにとって有効であると思われます。ただし、セールスチームや顧客管理チームに多大な投資を行う必要があることを意識しておかなければいけません。

そのような高額な顧客を引き付けるのに必要なすべてのものを彼らに持たせ、魅力的な歩合と特典パッケージを使用して、優秀なチームメンバーが会社にとどまるモチベーションを与えます。

正しい SaaS 販売モデル の選択

ビジネスに最適なSaasモデルを選択する場合、以下のような重要な要素の考慮が必要です:

  • SaaSのセールスサイクルは通常どの程度なのか?
  • リードからカスタマーにコンバージョンするまでの時間は?
  • SaaSのエキスパートであるセールス担当へのアクセスは可能か?
  • SaaS製品の価格は顧客が自分で意思決定するのに最適か?それとも、見込み客を説得してコンバージョンさせるための後押しが必要なのか?

また、SaaSの財務モデルが販売モデルと整合していることの確認も重要です。結局のところ、効果的な予測を行うことで、運営モデル、キャッシュフロー、予算がセールス・マーケティング戦略を確実にサポートすることができるのです。

Baremetricsで 販売モデル の有効性を追跡

SaaSの財務モデリングソフトウェアによる正確なデータがあれば、販売モデルの選択は何よりも簡単です。

ウェブサイト、マーケティング戦略、決済プラットフォームとシームレスに統合され、すべての関連データを収集できるツールを探しましょう。

ベストなツールというのは、キャッシュフローCAC(顧客獲得コスト)、売上総利益の現状を提供するだけでなく、最新のサブスクリプションデータに基づいて、ビジネスの将来のMRR(月間経常収益)の予測もできるでしょう。

Baremetricsには、SaaSやeコマースビジネスを念頭に置いてデザインされた、売上と財務のモデリングを行うための強力な機能があります。

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Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.