バンドル価格設定

Tomotaka Endo 2022 9 14

バンドル価格設定 は、企業が収益や利益を増やすために取り入れる数ある価格戦略の一つです。

バンドル価格設定とは、企業が多くの製品やサービスをまとめて(Bundle)、1つの商品として1つの価格で販売することであり、典型例として、ファーストフードのセットがあります。構成要素は年々大きく変わっていますが、ドリンク、サイドメニュー、メインディッシュを別々に購入する代わりに、それらを一つのセットにして低価格で提供されます。

価格の安さは重要な要素の一つであり、多くの場合は商品のうちのどれかは、利益率がはるかに高いのに消費者からの注文が少ないため、バンドルで割引を提供することで、会社は取引あたりの平均利益を増やすと同時に、より大きな知覚価値で顧客を満足させることができるのです。

バーガーセットの話に戻ると、ドリンクはほとんど利益しかないですが、顧客はドリンクを頼まず(無料の)お冷でいいというかもしれません。なので、バーガーセットを【ポテト】と【ハンバーガー】の値段より高く、【ポテト】と【ハンバーガー】と【ドリンク】の値段より安く提供することで、顧客が買う必要のないと思っているドリンクを購入するように誘導し、利益を大幅に増加させると考えることができるのです。

本記事で紹介するように、バンドル価格設定は、平均的なSaaS企業が、自社のプラットフォームで複数のソフトウェアモジュールを利用するSaaS市場において、特に強力な戦略です。

どのような価格戦略を選択するにしても、ぜひBaremetrics を使って販売データをモニタリングしてみてください。

Baremetrics は、MRR(月間経常収益)ARR(年間経常収益)LTV (顧客生涯価値)など、すべての販売データを簡単に収集、可視化することができます。

この革新的なツールを統合することで、SaaS企業の価格戦略の評価をシームレスに行うことができます。ぜひ今日から無料トライアルを始めてみてください

バンドル価格設定 の例

バンドル価格設定は、あらゆる業界で見られます。以下は、一般的に見られるバンドル価格の例です:

  • ファーストフード店のセット
  • Microsoft Office
  • スマートフォンと付属品のセット販売
  • スーツを買うとYシャツとネクタイが付いてくる

この例は、バンドル価格設定が両者にもたらす価値を示しています。売り手は、取引の平均価格(SaaSではARPU(ユーザーあたりの平均収入)と呼ばれることもある)を上げ、低容量の商品を動かしてその量を改善することができ、買い手には、価値の向上、購入の容易な意思決定、買い回りの手間の軽減がもたらされます。

バンドル価格設定 を検討するタイミング

バンドル価格戦略は、以下の機能の一部または全部を持つ企業に最適な価格設定です:

  • 主要な製品またはサービス一点と、その主要な製品またはサービスをより価値あるものにする多くの小さな製品またはサービス
  • 製品・サービスごとの平均売上よりも、ユーザー1人あたりの平均売上(ARPU)が重要である
  • 限界費用が極めて低い(通常、変動費は極めて低いが、固定費が高い)。

SaaS企業の多くは、これらの特徴をすべて備えており、多くの場合、費用の大部分はプラットフォームの開発中に発生し、ユーザーを追加するためのコストはゼロか、それに近いものです。

CAC(顧客獲得コスト)が高いため、ほとんどのSaaSビジネスは、製品の価格よりもLTV(顧客生涯価値)を気にしていますが、両者は明らかに関連しています。  

最後に、多くのSaaS企業にはメインプラットフォームがありますが、他のサービスはすべて単なるアドオンです。 特に、メインプラットフォームがアドオンなしではこれといって役に立たない場合は、各ユーザーがサービスから最大の価値を引き出すように、バンドル価格戦略の検討が必要になります。

バンドル価格設定 の種類

バンドル価格設定は、「純粋バンドル」と「混合バンドル」の2つのタイプに分類でき、 純粋なバンドルは、「ジョイントバンドル」と「リーダーバンドル」にさらに分類できます。

1. 純粋バンドル

純粋バンドルとは、顧客がバンドルのみを購入できる場合です。この場合、バンドル内の個々の製品を個別に購入することはできません。 そうなると、顧客は単純に「バンドル購入の是非」を決めるだけです。

純粋なバンドル内では、バンドル内の製品の相対的な価値に基づいて、「ジョイントバンドル」と「リーダーバンドル」に区別されます。

i. ジョイントバンドル

ジョイントバンドルでは、各製品は一般的に同等の価値があると見なされます。 タコス屋さんに行ってタコスを3種類購入すると、そのうちの1つがお気に入りになる可能性がありますが、バンドルは同等のものでできていると見なすことができます。

ii. リーダーバンドル

リーダーバンドルには、他のどの商品よりも明らかに価値の高い商品があり、 スマートフォンの例はこのカテゴリに分類されます。 高価なiPhoneを購入すると、「お得感を出す」ために本体よりはるかに安価なアクセサリが2つ無料で手に入ります。

2. 混合バンドル

混合バンドルとは、通常、一緒に販売される個々の商品のすべてよりも合計が高い価格で、各商品を個別に購入するオプションを顧客に提供する場合です。 これは通常レストランで見られますが、一部のSaaS企業も同じことをしています。

Microsoftでさえ、必要に応じてOfficeスイート内の個々のプログラムを個別に購入することができます。

バンドル価格設定 を成功させるには

バンドル価格設定を正常に使用するための手順は、概念的にはかなり単純ですが、実際に正常に実行するにはブレインストーミングがかなり必要になるかもしれません。

まず、顧客が何を求めているかを理解しましょう。 それが、あなたが自身のバンドルを売り込む方法になります。この場合、望ましい製品またはサービスを前面に置いたバンドルを出すことを目標にします。

次に、目玉となる高価値の部品をバンドルに用意しましょう。これはセールスの焦点となり、顧客にとってバンドル品の価値をわかりやすくするものになります。

さらに、付属品も充実させることで、より価値のある目玉商品、あるいは付属品によってより価値のある目玉商品となることを目指しましょう。

最後に、バンドルを使ってマージンを改善しましょう。 知覚価値(”したがって価格”)は高いが生産コストが低いアイテムを見つけて、顧客あたりの収益額を改善しながら、バンドルの知覚節約を増やします。

新しい価格戦略の効果をよりスマートに測定する方法をお探しでしたら、今すぐBaremetricsの無料トライアルにご登録を!

Baremetrics がどのようにマーケティングの意思決定の結果を示すか、ぜひデモをご覧ください

バンドル価格設定 のメリット・デメリット

バンドル価格設定にはメリットとデメリットがあります。 このメリットとデメリットを理解することで、潜在的な落とし穴を回避しながら、アップサイドバンドルの価格設定を最大限に活用できます。

a. バンドル価格設定 メリット

バンドル価格設定には、プロバイダーと顧客の両方に明確なメリットがあります。 そのうちのいくつかを見てみましょう。

バンドル価格設定 メリット1:顧客により多くの価値を提供できる

多くの場合、顧客が付属品とアドオンをすべて購入するまで、製品の真価は顧客にはわかりません。 サブスクリプション収益モデルでは、このような機能に対して対価を支払う代わりに、顧客はあなたのもたらす価値がわからずに解約してしまう可能性があるのです。

すべてのサービスを一纏めにして提供することで、顧客はプラットフォーム全体が使えるようになり、あなたの製品がもたらすことができる価値がわかるようになります。そうすることで、顧客はあなたのサービスから価値を引き出し、あなたとの取引を長期的に継続するる可能性が高くなります。

バンドル価格設定 メリット2:購入体験の簡素化

多くの選択肢に直面したとき、特にその選択肢が非常に似ている場合、人々は「分析麻痺」に陥り、決断することができなくなります。これでは、顧客にとって買い物の楽しみが半減し、売上も減少してしまいます。

1つのバンドル、または2、3種類のみを提供することで、決断を管理しやすくしています。

バンドル価格設定 メリット3:売上の向上

バンドル価格が正しく行われると、各セールスの平均サイズが跳ね上がり、バンドル価格がうまく機能すれば、販売数も増加します。この組み合わせで、収益の数字を大きく向上させることができるのです。

バンドル価格設定 メリット4:あまり出ない製品を動かせる

潜在的な顧客には人気がないように見えても、メインの製品やサービスに付加価値を与えることがわかっている製品やサービスがある場合、それらを纏めることで、人気のない製品の販売量を増やし、顧客に対する知覚価値の総量を増やすことができます。

b. バンドル価格設定 デメリット

バンドル価格設定は、収益の成果を上げるための素晴らしい方法ですが、デメリットがないわけではありません。特にサブスクリプション収入から収入を得るSaaSビジネスにとって、バンドル価格は素晴らしい選択肢であることは明らかですが、デメリットも理解すべく、さらっと見てみましょう。

バンドル価格設定 デメリット1:顧客は別々での購入を希望しているかも

顧客の中には、あなたが提供する特定の製品だけが欲しいという方もおり、また、自分が探していない製品を買わされるのを嫌がる人もいます。どちらの場合も、他の製品やサービスをバンドルで購入することを強制されることを嫌がるかもしれません。

バンドル価格設定 デメリット2:顧客が全てを必要としない場合もある

脇役的なサービスが主役のサービスをより良くするとわかっていても、顧客はその余分な機能をすべて必要としないかもしれません。その場合、顧客はよりシンプルな(あるいは安価な)代替サービスを探し続けることになるかもしれません。

バンドル価格設定 のまとめ

バンドル価格設定は、SaaSビジネスにとって自然な選択肢であり、多くのサービスを一纏めにすることで、ARPU(顧客一人あたりの売上)とLTV(顧客生涯価値)を改善し、提供するサービスに付加価値をつけることができます。正しく実行されれば、顧客ベースのロイヤリティを高めることにもつながります。

Baremetrics は、価格戦略の大きな変更を行いながら、より良い収益追跡を求める SaaS ビジネスにとって、当然の選択でしょう。

SaaSビジネスの収益パフォーマンスに対して、よりスマートなアプローチ方法をお探しでしたら、ぜひ今すぐBaremetricsの無料トライアルにお申し込みください。

SaaSのビジネス指標
可視化・分析を始める

MRRやLTVなどの26を越えるビジネス指標を自動で追跡し、可視化します。
また、顧客をセグメントして分析してビジネス戦略構築のためのデータを提供します。
Baremetrics Bare

Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.