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いずれの場合も、こういった企業は、会社の将来について戦略的な意思決定を行うのに資本を理解しておかなければならず、その資本は、投資融資を受ける際や、投資先として会社を売却する際に利用されます。
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SaaSにおける資本とは
資本とは、組織の資産総額のうち、その所有者や株主が請求できる割合のことであり、それを計算するには、すべての資産の簿価を足していきます。
資産には、流動資産と非流動資産があります。在庫や売掛金など、1年以内に現金に換えることができるものが「流動資産」となり、不動産、設備、特許など、1年以内に消費されたり現金に換えられたりしないものが「非流動資産」または「長期資産」となります。
資産の価値が確定したら、その総額から借入金、給与、買掛金などの負債をすべて差し引きます。差し引いた後に残った金額が、資本または純資産となります。
例えば、会社に400万円の資産があり、経費のために300万円の融資を受けた場合、資本は100万円(資産(400万円)― 融資/負債(300万円))です。
資本は、オーナーやパートナーが出資を増やしたり、売上によって利益が増えた場合に増加し、出金や資産の減価償却、損失が発生すると減少します。
資本の重要性
まず第一に、資本は、例えば、ある期間と次の期間の資本を比較することで、時間の経過とともに価値の上昇または下降の判断ができるというように、財務の評価だけでなく、拡張や維持管理に関する重要な意思決定にも役立ちます。あと、融資を受ける際には、投資家や貸し手に対して資本の提示が必要であることを覚えておきましょう。
加えて、資本は、事業の簿価を示すだけで、時価を示すものではありません。市場価値は資産の売却価格であり、簿価は資産の購入額を反映したものです。そのため、事業の収益力や収入によって、市場価値は簿価よりも高くも低くもなります。
SaaSにおける資本に含まれるもの
資本には、事業主が投資した資金と創業以来生み出した利益が含まれ、会社から出ていった資金や事業で失われた資金は差し引かれます。
会社が株式会社として構成され、所有権が株主に広く及んでいる場合、あなたの持分には以下も含まれます。
i. 利益剰余金
企業は、利益を株主に配当するか、あるいは内部留保して事業に再投資するかを選択することができます。貸借対照表に計上され、配当金として支払われなかった資金は、資本の一部になります。
ii. 発行済株式
投資家によって発行および購入された企業の株式は、発行済み株式と呼ばれ、 言い換えれば、これらはインサイダーと会社役員が保有する公開市場での株式です。 ただし、会社が従業員ストックオプションの行使や追加資本の調達を行う際に新株を発行した場合、発行済株式数は変動する可能性がありますが、 会社が株式を買い戻すと、その数は減少します。
iii. 自己株式
自己株式は、過去に発行された株式を株主から買い戻し、会社に保有されます。企業は、自社の株式が過小評価されていると感じた場合に、このような行動をとることが多く、残りの株式の市場価値と1株当たり利益を上げるために、会社は買戻しによって発行済株式の流通数を減らすことがあります。
iv. 株式払込剰余金
株式払込剰余金とは、株式に対して額面金額よりも多く支払った金額のことです。つまり、投資家が株式のために額面以上の金額を支払ったということですが、それを配当金として分配することはできません。
資本=資産?
資本は、会社が所有する資産に基づいて計算されますが、貸借対照表上では資産として反映されません。厳密に言うと、資本は事業主の資産であって、ビジネスそのものではありません。
会社が所有するすべての価値のあるものが「事業用資産」となり、事業用資産をすべて売却して負債を清算した場合に残る、オーナーの請求権を示すものが「資本」となります。
資本がマイナスになることはあるのか
資本は、会社の資産と負債のバランスによって、マイナスにもプラスにもなり得ます。
負債が資産を上回れば、資本はマイナスになり、事業主は不足分を補うために会社に追加投資することを望むかもしれません。資本がマイナスになると、例えば事業主が事業から資金を引き出したらキャピタルゲインとして課税対象となるように、税金面にも影響が出ます。
ビジネスでは、資本勘定を常にチェックし、残高がマイナスになった場合は引き出しを避けることが非常に重要です。スタートアップにおける資本金に関する理解の重要性については、当社のブログで詳しくご紹介しています。
貸借対照表での資本の表示
資本は会計期間末の貸借対照表に記録され、左側には資産、右側には負債と資本が表示されます。
資本は、常に純額で表示され、指定された会計期間中に事業主または共同経営者によって引き出しとして取り出された金額を示していることに留意しましょう。その会社は、事業主の投資から生じる純資本を公開する資本勘定の維持もすることになります。
資本の算出法
資本の算出は全然難しくありません。基本的な算数ができれば十分です。
資産の総額から負債を差し引いて計算すればいいだけです:
資本 = 【資産合計】-【負債合計】
また、上場企業の場合は、同じ計算で株主資本も決定されます。
SaaS企業の貸借対照表と他の企業の貸借対照表の根本的な違いは、収益の発生方法です。純利益の決定には、以下のようなメトリクスをいくつか持ち合わせておかないといけません:
i. 年間契約額(ACV)
このメトリクスは、新規予約と更新を含む、顧客のサブスクリプションの平均年間契約額を表しており、さらに、解約によって失われたACVも考慮されなければいけません。BaremetricsでACVを監視してみましょう。
ii. 歳入
これには、その年のサブスクリプションおよび使用料ベースの収益の合計が含まれます。
iii. 収益コストと運営コスト
物理的な製品を販売している企業は、損益計算書に売上原価(COGS)を記載しますが、SaaS企業は代わりに売上原価(COR)を使用します。これは、会計期間中に製品を提供することによって発生した直接的なコストであり、ホスティングやインフラのコスト、カスタマーサポート、クラウド運用、サードパーティーのソフトウェア、またはデータ料金などが含まれます。
運営費用には、マーケティング、管理、製品開発などが含まれまれ、この費用によって、損益計算書の一番下に記載されている純利益が決まります。純利益は、例えば配当で流出させない場合は、貸借対照表の利益剰余金に計上することもできます。
株主がいる場合の資本の計算
株主の資本は、個人事業主や共同経営を登録している資本と同じ方法で計算され、その総資産が売却されて債務が決済された場合は、株主に返還されるであろう総金額を表しています。
また、株主資本は、財務報告期間の末日における貸借対照表に計上され、財務の健全性を判断するものです。
単純に計算すると:
株主資本=【総資産】-【総負債】
まとめ
事業主として、自身の資本を理解することは、成長と投資として売却する場合のビジネスの可能性を判断するのに不可欠です。収益を理解せずに資本を評価することはできません。だからこそ、重要な SaaS のメトリクスを測定、管理のためにデザインされた包括的なツールが必要なのです。
Baremetricsは、SaaSビジネスのためのメトリクス、予測、エンゲージメントツールです。最も重要な収益メトリクスを追跡し、他社とのベンチマークを行うことで、会社の健全性、豊かさ、可能性を完全に把握できます。
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