SaaSのメトリクスはBaremetricsで管理 - Baremetrics Japan

Tomotaka Endo 2022 7 6

SaaSほどメトリクスに依存している業界はないかもしれません。SaaSの創業者の多くは、データやエンジニアリングのバックグラウンドを持ち、優れた意思決定には優れたデータが、優れた意思決定には可能な限り多くの優れたデータが必要であることを知っています。

でも、実際に追跡しているSaaSの財務メトリクスはいくつあるのでしょうか。ほとんどのSaaS企業はチャーンに目を光らせていますが、レベニューチャーンとカスタマーチャーンの両方を計算しているでしょうか? ほとんどのSaaS企業はCAC(顧客獲得コスト)とLTV(顧客生涯価値)を把握していますが、CAC対LTV比やCAC回復までの月数はどうでしょうか?

各SaaSの財務メトリクスから得られる付加価値の大きさは様々ですが、メトリクスをすべて手元に置いておくことは成功の鍵の1つですから、この記事ではすべてのSaaS財務メトリクスについて説明します。

ただ、そのメトリクスをすべて自分で計算していたら、他のことをする時間がなくなってしまいます。そこで、Baremetrics の出番です。

Baremetricsは、無意味な数字を賢く「自動削除」し、真のより大きな全体像を明らかにすることで、あなたに代わってこのような重労働をすべてこなします。透明性の高いダッシュボードには、指定された期間の収益、費用、利益の全体像があります。これにより、矛盾を素早く発見し、不要な無駄をなくし、複数のシナリオに基づいてSaaSビジネスの将来をより正確にモデル化できます。

Baremetricsには、MRR、ARR、LTV、総顧客数など、あなたのビジネスに関するすべての重要なメトリクスがあります。

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メトリクスとは

メトリクスは日本語で指標とも呼ばれ、ビジネスがどのように行われているかを知るための、ちょっとした数学的分析数値です。メトリクスの計算のためにデータを集め、引き出すことは簡単ではありませんが、メトリクス自体は通常、非常に単純で論理的な数学に基づいており、それによって、非常に強力なものになっているのです。

ビジネスの健全性についての難しい質問を数字に落とし込むことで、現在の状況や時間の経過に伴う状況の変化について、何らかの見解を得ることができます。

例えば、今後数ヶ月間のビジネスのキャッシュフローが心配な場合、流動比率か当座比率を見れば、順調にいっているのか、本当に心配すべきことがあるのかが分かります。SaaSでも従来のGAAPで認められているメトリクスは重要ですが、SaaSの当座比率を含め、常にあらゆる場面でSaaS特有の財務メトリクスを利用できます。

そこで、SaaSの財務メトリクスの多くに含まれるシンプルなロジックと数字、そしてそこから得られる深い見解について見ていきましょう。

収益と出費のメトリクス

i. MRR&ARR(月次/年次 経常収益)

ARRMRRは、SaaSの財務メトリクスの基本中の基本です。サブスクリプション収益モデルを使用して収益を得ている場合、サブスクリプション収益がいくらあるのかを知っておくべきです!

ARRとMRRは、それぞれ年間と月間にいくら使ったかによって、契約している顧客から得られる収益の額を単純に表したものです。

今から先のことを見る時は、直近の平均値や傾向から、予想されるチャーンエクスパンションARR&MRR復活ARR&MRR、コントラクションARR&MRRなどを組み入れる必要がありますが、現在のARR/MRRの基本的な計算方法だと、ARRまたはMRR=有効顧客総数×平均課金額(年間または月間)となり、かなり簡単です。

ii. ARPU(顧客一人あたりの売上)

これは、指定された期間(通常は1ヶ月)ごとにユーザーが支払っている平均額です。これで、顧客が時間の経過とともにもっとサービスを申し込んでいるかの追跡ができ、現在の顧客にとって価値のあるサービスが開発されていることが示されるものになります。

iii. ACS(平均サービスコスト)

後述するCAC(顧客獲得単価)は、ほとんどのSaaSビジネスにとってより大きな関心事ですが、サービスの開発と運営は無料ではありません。もしあなたが、製品の市場投入や運用にどれだけの費用がかかっているかに気づいていないなら、おそらく製品の本当のコストを低く見積もっていますよ。

顧客ごと・期間ごとの研究開発の償却、テクニカルサポート、ホスティング、アカウント管理など、会社運営のために費やされた経費をすべてサブスクリプションの収益で取り戻さなければならないので、この計算に含める必要があるというわけです。

iv. CAC(顧客獲得単価)

ACS(平均サービスコスト)は見落とされがちですが、ほとんどの企業はCACを強く意識しており、実際、CACはベンチャーキャピタルが投資を検討する際に、まず聞かれる質問のうちの一つであることが多いです。

CACは、顧客獲得に必要なすべての営業・マーケティング費用です。この計算には、賃金、税金、福利厚生、出張費、食事代など、訪問者をあなたのページに誘導し、その訪問者があなたのサービスに申し込むことに起因すると考えられるあらゆる費用が含まれるため、より包括的であればあるほどよいでしょう。

投資を考えている目先のことしか見ない創業者は、CACを実際より低く表示するのが良いと考えるかもしれませんが、特に保守的になることで、長期的な成功を収めるのに適切な価格体系が見つかるでしょう。

v. CAC回収期間/CAC回復までの月数

CACの回収のために、どれくらいの期間の顧客維持が必要かご存知ですか?CAC回復月数と呼ばれることもあるCAC回収期間は、いつ顧客によって真の利益が出始めるかを示すものです。

例えばARPUが¥10,000/月でCACが¥40,000の場合、CAC回収までの月数は4です。しかし、ACSが¥5,000/月の場合、その収益のすべてを顧客のCAC債務の返済に充てられるわけではないので、CAC回収までの月数は実際には8となります。(ARPU*Xヶ月) = (ACS*Xヶ月) + 40,000

vi. LTV(顧客生涯価値)

LTV(顧客生涯価値)は様々な前提で色々な計算方法がありますが、要するに「(毎月の平均請求額)x(顧客が解約するまでの平均利用月数)」です。

毎月の平均請求額をどのように計算するかは、彼らの現在の計画をそのまま反映させるものから、予想されるエクスパンションMRRに基づいた増分を含むものまで、さまざまです。

LTVは、ACSおよび/またはCACを考慮することができ、また、ストレートな収益数値とすることもできます。

複雑な統計学を用いて解約数の確率関数を構築してもいいですし、解約数に基づいた契約期間の中央値の使用もできます。

この判断はそれぞれ異なる視点をもたらすものであり、複数のLTV値の計算は、それが誤解を招くのを避けるためには現実的なやり方です。

vii. CAC-LTV比率

SaaSの財務メトリクスに関しては、このシンプルな比率ほど多くの情報を提供するものはありません。LTVの厳密な収益バージョン、又はACSを含んでCACを含まないバージョンを取ってCACと比較することで、一般の顧客が何何回支払っているかがわかります。

チャーン

チャーンは最も初歩的なSaaSの財務メトリクスの1つですが、ほとんどの企業は顧客と収益の両方に基づいて測れていません。顧客が全員同じというわけではないので、このメトリクスで何か違うものがわかるはずです。

例えば、サービスの価格を2倍にし、25%の顧客を失った場合、顧客離れはひどいものに見えますが、月収は実際には50%増加しているのです。実は、解約した顧客は、あなたのサービスから得られる価値を理解せず、常に不満を抱いていた顧客である可能性が高いので、この値上げは今までで一番の決断であったと言えるかもしれません。

i. 顧客チャーン

これは、一定期間内に解約した顧客の割合です。この値を知ることが、解約を減らす第一歩となります。

ii. 収益チャーン

同様に、これは一定期間に解約した収益額です。

iii. CRR(顧客維持率)

これは、顧客チャーンの逆です。例えば毎月5%の顧客が更新しない場合、CRRが95%であるのに対し、顧客チャーン率は5%となります。

iv. 顧客誘導率

これは厳密にはSaaSの財務メトリクスではありませんが、マーケティングとセールスのマネージャーは、このメトリクスが財務メトリクス全部と同じくらい重要であることを言ってくる(もしかしたら叫ぶかも)でしょう。

パーセンテージで表すと、マーケティングや販売戦略がどの程度うまくいっているのかがわかります。企業によりますが、ページへの訪問者数、「今すぐ申し込む」ページへのクリック数、無料トライアルへの登録者数などがあります。でも何で割ったとしても、上の部分(割られる側)は有料のサインアップになります。

例えば、1000人の訪問者に対して、500人がサインアップページをクリックし、100人が無料トライアルを行い、10人がサインアップしたとすると、マーケティング担当者はこの数字を、ブログへの訪問者とその関わり方に基づいて1%(1000人の訪問者に対して10人のサインアップ)または2%(500人のサインアップページへのクリックに対して10人のサインアップ)と考えるかもしれませんし、営業担当者はチュートリアル、無料トライアル、フォローアップのコミュニケーションがいかにうまく機能したかによって10%(100人の無料トライアルに対して10人のサインアップ)と考えるかもしれません。

イージーナンバー(シンプルな数字)

これをかろうじて「メトリクス」と呼ぶ人もいるかもしれませんが、単純な整数が多くの価値を与えてくれることもあります - 特に、毎月追っている場合はなおさらです。

i. 再登録者数

これは、以前キャンセルしたけどまた戻ってきた顧客の数を教えてくれるものです。

ii. 増額者数

これは、毎月の利用額を増やした顧客の数です

iii. 減額者数

これは、毎月の利用金額が減少した顧客の数です。

Baremetricsは、MRR、ARR、LTV、総顧客数など、ビジネスに関する26のメトリクスがあるビジネスメトリクスツールです。

Baremetrics は、決済ゲートウェイと直接統合されているため、顧客に関する情報はBaremetrics のダッシュボードに自動的に流れ込みます。

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Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.