チャーンのリスクのある顧客を特定する方法 - Baremetrics Japan

Tomotaka Endo 2022 5 10

チャーンを減らすことは、SaaS企業がより良い成長のためにできる最も重要なことの一つです。ある試算によると、顧客を満足させ続けることは、新規顧客を獲得することに比べて最大で25倍も安上がりだとも言われています。

では、チャーンのリスクのある顧客をどのように特定すればよいのでしょうか。本記事では、チャーンのリスクの高い顧客のグループを特定するためにできる一連の作業をご紹介します。また、顧客チャーンの減少、さらには防止に向けた積極的な行動もご紹介します。

この記事が終わる頃には、SaaS企業におけるチャーンを減らすために必要なすべてのツールがわかるでしょう。

チャーンとは?

チャーンのリスクのある顧客を特定する方法を説明する前に、チャーンとは何か、及びその計算方法についてざっと見ていきましょう。

チャーンとは、基本的にビジネスを失うスピードのことです。通常、パーセンテージで表示されます。チャーンには、収益ベースのチャーンと顧客ベースのチャーンの2種類があります。

では、それぞれ見ていきましょう

1. 収益ベースのチャーン

収益ベースのチャーンとは、毎月の解約やダウングレードによって失われているMRR(Monthly Recurring Revenue)の値のことです。売上高チャーンは、次の式で計算できます。

収益ベースのチャーン = ((解約MRR + 縮小MRR)) ÷ 月初MRR) × 100

なお、解約による損失は「解約MRR」、ダウングレードによる既存顧客からの損失は「縮小MRR」です。

本記事では顧客に焦点を当てていますが、すべての顧客が企業にとって同じように価値があるとは限らないので、売上高回転率も考慮に入れることが重要です。リソースが限られている場合は、常に最も価値の高い顧客に焦点を当てるべきでしょう。

Baremetrics は、大まかな概要だけでなく、売上回転チャーンを日割りで見ることもできます。こちらをご覧ください:

Revenue churn

2. 顧客ベースのチャーン

顧客チャーンとは、1ヶ月あたりにサービスから離脱する顧客の割合のことです。以下の式で算出することができます。

顧客チャーン=(月間損失顧客数 ÷ 月間開始時総顧客数) × 100

Baremetricsは、顧客チャーンを表示しています。ご覧ください:

チャーンのリスクのある顧客への対応は?

基本的に、解約リスクのある顧客に対しては、製品を使い続けてもらうことを目標にします。そのためには、適切な顧客にターゲットを絞り、彼らのニーズに合わせた質の高いサービスを提供し、ユーザーの行動を継続的に追跡して、どこに不満があるのかを示す兆候を見つける必要があります。

この記事の終わりまでには、マーケティングから始まる、顧客生涯価値を通じての効果的な戦略を得られるように、これらの作業を順番に説明していきます。

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適切な顧客との契約

あなたは、理想的な顧客プロファイル(ICP)をきちんと定義できていますか?もし、それが何かわからないなら、ここで立ち止まって記事を読んでみてください。マーケティング戦略全体は、特定のICPを中心に計画されていくべきなのですから。

もし、自社の製品が幅広くアピールできるのであれば、広範囲のICP一つよりも、複数の特定のICPを作る方がよいでしょう。ICPを絞り込み、このプロフィールにマッチする見込み客だけをターゲットにすることで、顧客が契約する前にチャーン率を抑えることができます。

というのは、適切な顧客だと、あなたの製品から最も大きな価値を見出すことができるからです。顧客があなたのアプリから利益を得ている限り、彼らは購読は継続するはずです。

有意義なエンゲージメントを目指す

リードを得た瞬間から、あらゆるツールを駆使して、顧客のビジネスプロセスへ製品を組み込んでもらえるように促さなければいけません。

無料トライアル期間中に、見込み客にメールを送り、興味を持ってもらえるような機能を紹介し、プラットフォームの使い方を説明し、ツールを試すためにサイトに戻るように促します。

早い段階で顧客にSaaS製品の機能を、頻繁にフルに使ってもらうことで、顧客が製品から最大限の価値を得ていることを保証することができるのです。

ユーザー行動データの追跡

入手できるすべてのユーザー行動データを記録します。この情報により、ユーザーがどの機能に一番価値を見出しているかがわかります。

マーケティング、営業、カスタマーサクセスの各チームが定期的に顧客と関わり、プラットフォームに接するよう促さないといけません。

一方、データ分析チームと開発チームは、ユーザーがプラットフォームとどのように関わっているかを追跡し、マップを作成する必要があります。そしてこれによって開発チームは、最も使用されているプラットフォームの部分を最適化することができます。

このプロセスは、非常に貴重なフィードバックループです:

  • 顧客がプラットフォームをどのように利用しているかを追跡する。

  • 市場の需要に基づいて、プラットフォームをさらに発展させる。

  • その機能を必要とする人たち(特定ICP)に向けてマーケティングを進める。

支払い情報を追跡する

あなたの製品が自分には合わないとわかり、離れることを選択する顧客もいますが、実際には不本意な形で離れる顧客も一定数存在します。不本意なチャーンとは、顧客自身の選択によるのではなく、例えばクレジットカードの決済に失敗したなどの別の理由でプラットフォームを離れてしまうことを指します。

BaremetricsのRecoverツールで、顧客に支払いのトラブルが発生しても、顧客自身が支払いプロセスに戻って自分で問題を解決できるようにするための自動プロセスが作動されることで、不本意なチャーン防止に繋がります。ご覧ください。

更新メールを通じて未開封のクレジットカード情報を把握することで、チャーンリスクのある顧客を特定することができます。その上で、ユーザーが積極的に製品を利用するよう、別の戦略を使うことができます。

Recoverは督促のプロセスを自動化するので、不本意な形で顧客を失う心配はなく、Recoverの支払いプロセッサーは、Baremetricsのダッシュボードへ完全に統合することができます。最大の利点ですか?平均すると、Recoverはかかった費用の38倍を回収しています。今すぐBaremetricsの無料トライアルの一環としてご体験ください。

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再エンゲージメント計画の策定のための顧客区分の利用

すべての顧客が当てはまるというわけではありませんが、地理的な位置や購読料金の選択など、特定の特性を共有する顧客グループには、似たようなユーザー行動がみられます。

こういったグループを別々に扱うことで、各グループに最適な再エンゲージメント計画を策定することができます。例えば、アメリカの顧客の方がカナダの顧客よりもアクティブである場合、なぜカナダの顧客はあなたのところのプラットフォームからそれほどの価値を見出していないのか、その理由を探ることができます。

Baremetricsのセグメントは、これをすべて行えます。ご覧ください。

よくある質問: チャーンリスクのある顧客

Q: チャーンリスクとは何ですか?

A:チャーンリスクとは、ある顧客がどの程度の確率でチャーンするリスクがあるのかを示す指標です。ユーザーをチャーンリスクが「低い」、「中程度」、「高い」に区分することで、最も注意が必要な顧客に集中できます。

Q:リスクのある顧客を留めておく価値はありますか?

A: はい! できる限りすべての顧客をチャーンから引き止めるように努力すべきです。ある試算によると、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客のチャーンを防ぐ方が最大で25倍も安くなります。

チャーンリスクのある顧客をすべて把握し、コミュニケーションをとってどうすればそれを防げるか探るべきです。

Q:リスクのある顧客を留めておくにはどうすればいいのでしょうか?

A:本記事では、チャーンを防ぐための一連の作業を紹介しています。まず、アプリから最大限の価値を得られるユーザーを見つけることから始めましょう。

ユーザーのニーズに耳を傾けてペインポイントを減らし、ユーザーに最高のプラットフォーム体験をお届けしましょう。

最後に、Baremetrics Recover の優秀な督促プロセスを実行し、不本意なチャーンをなくしましょう。

Baremetricsによるチャーンリスクのある顧客を特定する 

ビジネスの成長の原理というのは、シンプルに「できるだけ多くの顧客と契約し、それを維持すること」です。

顧客について、また顧客が製品にどのように関わっているかを知れば知るほど、満足度の高い顧客をよりよく維持することができます。

Baremetricsは、ユーザー情報を区分し追跡するためのあらゆる指標を26種類以上提供します。これらのツールは、製品を顧客のニーズに合わせたり、既存ユーザーのチャーンを減らしたり、ICP を特定し惹きつけるのに役立ちます。14日間の無料トライアルで、ぜひお試しください。

Tomotaka Endo

Tomo Endo is a dynamic professional with a rare blend of achievements in technology, community leadership, and sports. As the Co-Founder of Nihonium.io since August 2023 and Community Lead at Xenon Partners since September 2019, Tomo has been pivotal in driving innovation and fostering community engagement within the tech industry in Tokyo, Japan. His role in facilitating growth and providing actionable insights at Baremetrics, coupled with his contribution to MetricFire's technical monitoring community, underscores his proficiency in leveraging technology to nurture professional communities. Beyond his tech-centric endeavors, Tomo has excelled as a professional athlete in squash, achieving the no.1 ranking in Japan and a global ranking of 79th by August 2020.